ほとんどの癌臨床試験では参加者の喫煙について評価していないことが判明/ロズウェルパーク癌研究所 | 海外がん医療情報リファレンス

ほとんどの癌臨床試験では参加者の喫煙について評価していないことが判明/ロズウェルパーク癌研究所

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ほとんどの癌臨床試験では参加者の喫煙について評価していないことが判明/ロズウェルパーク癌研究所

―喫煙は癌治療に悪影響を与えうるが、評価や禁煙サポートを導入した臨床試験はほとんどない―

Warren医師は155件の癌臨床試験を検討し、喫煙評価を行っている進行中の試験は30%以下であった。評価や禁煙サポートの欠如は経過や予後に影響する可能性がある。

2012年6月15日(金曜日)

 

ニューヨーク州バッファロー―喫煙は癌治療の重大な障害となりうるが、臨床試験において喫煙に関する評価を行う癌研究者はほとんどない。これは、ロズウェルパーク癌研究所(RPCI)放射線医学科の助教Graham Warren博士率いる研究グループが、癌の臨床試験の調査から導き出した結論である。Journal of Clinical Oncologyに公表された研究結果は、エール大学がんセンターのポスドクの精神科医Erica N. Peters博士がRPCI、サウスカロライナ大学医学部ホリングスがんセンターおよびMDアンダーソンがんセンターと共同で実施した研究に基づいている。

 

米国国立癌研究所が資金提供している現在登録中の国内共同臨床試験155件を評価したところ、試験登録時に喫煙の状況について評価しているのは30%未満、フォローアップ時に喫煙の評価をしているのは5%未満であり、禁煙サポートをしている試験は認められなかった。

 

Warren博士は、「癌治療中の喫煙は治療効果の減少、治療毒性の増加を引き起こし、そして遂にはより多くの人々が癌で亡くなることになります。エビデンスに基づいた喫煙の評価および禁煙サポートがないために、喫煙が臨床試験結果や生存にどのような影響を与えるかについての正確な評価は限られたものになっています。」と述べる。

 

また、「最先端の臨床試験に登録された患者さえ禁煙サポートを受けていない場合があるのです。エビデンスが示していることは、禁煙の心疾患や肺疾患発症率低下と、癌の経過を改善する可能性です。」と述べる。

 

この結果は、今週ワシントンDCで開催された米国医学研究所支援によるNational Cancer Policy Forum Workshop on Reducing Tobacco-Related Cancer Incidence and Mortality(タバコ関連癌の発症と死亡減少に関する全国癌政策フォーラム会議)で参加者に発表された。

 

「癌患者への標準ケアの重要な一部としての禁煙導入は極めて必要性が高いです。」とエール大学がんセンター腫瘍内科主任かつ本試験の共同著者であるRoy S. Herbst博士は付け加えた。

 

本試験「Tobacco Assessment in Actively Accruing National Cancer Institute Cooperative Group Program Clinical Trials」はhttp://jco.ascopubs.org/content/early/2012/06/11/JCO.2011.40.8815にて閲覧可能である。この研究は、米国国立衛生研究所から「T32 DA007238, R01 CA140256, R25 CA114101, and R01 CA097893」、米国癌協会から「NRSG 11-031-01-CCE」という助成金により一部援助を受けている。

 

ロズウェルパーク癌研究所(RPCI)の使命は癌の理解、予防および治癒である。1898年に設立されたRPCIは、米国国立癌研究所に包括的がんセンターとして指定された米国初のがんセンターの1つであり、ニューヨーク州北部ではこの指定を有する唯一の施設である。RPCIは高名な米国総合がんセンターネットワーク(米国で指導的立場にあるがんセンターの連盟)に属しており、提携施設でもある。また、国内外の共同プログラムのパートナーでもある。詳細は、RPCIのウェブサイトhttp://www.roswellpark.orgを参照、1-877-ASK-PRCI(1-877-275-7724)に電話、またはaskrpci@roswellpark.orgにEメールでお問い合わせください。

 

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仲里芳子 訳
久保田 馨(呼吸器内科学/日本医科大学)監修
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原文

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