遺伝子多型が頭頸部癌における再発や二次癌のリスクを示唆/M.D.アンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

遺伝子多型が頭頸部癌における再発や二次癌のリスクを示唆/M.D.アンダーソンがんセンター

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

遺伝子多型が頭頸部癌における再発や二次癌のリスクを示唆/M.D.アンダーソンがんセンター


M.D.アンダーソンがんセンター
2009年12月7日

18個の一塩基遺伝子多型が初期頭頸部癌の再発リスクと二次癌の発現傾向を示唆する、とテキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの研究者らが、癌予防研究最前線会議(American Association for Cancer Research Frontiers in Cancer Prevention Research Conference) で報告した。

同チームは、241の一塩基多型、即ち遺伝子におけるDNAの1構成単位の変化を調査した。この調査は、遺伝子を制御するRNAの小片であるmicroRNA(miRNA)の生成に関わる8つの遺伝子と、miRNAが遺伝子発現の制御に影響を及ぼす130のmiRNA結合部位で行われた。

「われわれはmiRNA経路に的を絞りました。というのもこのような小分子が遺伝子の1/3から1/2を制御しているからです」と統括著者であるXifeng Wu医学博士(M.D.アンダーソン癌予防人口学部門内疫学部教授)は述べた。

「miRNAの生合成遺伝子とmiRNAの結合部にある遺伝子多型は多発固形腫瘍リスクに関連しているので、こうした多型が、頭頸部癌の再発や二次原発腫瘍のリスクに関連しているかもしれないとの仮説を立てたのです」とWu医師は述べる。

頭頸部癌患者の約10パーセントは再発をきたし、15〜25パーセントに二次原発腫瘍が発現する。

同チームは、再発や二次癌を引き起こした患者150人と、そのいずれもない患者300人を対象に、症例対照試験を実施した。チームは、18個のSNPが再発や二次癌リスクに関与していることを発見した。そのうち11個のSNPは3つのmiRNA生合成遺伝子に、また7つのSNPはmiRNAとの結合部にある。重要なSNPのうち8つはRNASEN遺伝子にあり、そのうち1つのSNPが関与するとリスクが72パーセント高まる。

4つ以下の不利な遺伝子型をもつ患者と比較すると、5〜9つの不利な遺伝子型がある患者はリスクが2.4倍に、また10以上ある患者ではリスクが7.7倍に高まる。

遺伝子間の相互作用についてさらに分析が行われ、参加した患者のリスクによるグループ分けがなされた。低リスクのグループでは無事象生存期間中央値が93カ月超であった。最高リスクグループでは低リスクグループよりもリスクが5倍高く、無事象生存期間中央値が35.9カ月であった。

「われわれの得た結果が示すのは、miRNA生合成経路およびmiRNA結合部における遺伝子多型が、頭頸部癌における再発や二次原発腫瘍リスクの予見に利用できるかもしれないということです」と筆頭著者であるXiaofan Zhang博士(疫学博士研究員)は述べた。

本プロジェクトは米国国立癌研究所から研究助成を受けた。

Zhang医師とWu医師の共同著者は以下のとおりである。
Hushan Yang, Ph.D., and Margaret Spitz, M.D., of the department of Epidemiology; J. Jack Lee, Ph.D., of M. D. Anderson’s Department of Biostatistics; Edward Kim, M.D., Scott Lippman, M.D., and Reuben Lotan, Ph.D., of M.D. Anderson’s Department of Thoracic/Head and Neck Medical Oncology; Waun Ki Hong, M.D., head of the Division of Cancer Medicine.

******
柴田慶子訳
長瀬祥兼(工学/医学)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward