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メイヨークリニックと共同チームの研究者、体内のビタミンD値がリンパ腫患者の生存に関連することを発見/メイヨークリニック

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メイヨークリニックと共同チームの研究者、体内のビタミンD値がリンパ腫患者の生存に関連することを発見/メイヨークリニック


メイヨークリニック
2009年12月5日

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療中の患者において、体内のビタミンDの量が、癌の進行と全生存率とに強く関連していることが新しい研究でわかった。この結果はニューオーリンズで行われる米国血液学会の年次総会で発表される。

「ビタミンDと癌の転帰との間の関連性について強力な知見が得られた」と、この試験の責任医師で、ロチェスターにあるメイヨークリニックの内分泌学者Mathew Drake医学博士は述べる。「これらの知見は非常に刺激的である一方で予備的なものであり、他の試験での検証が必要である。 しかし、ビタミンDのサプリメントがリンパ腫の治療を補助する可能性を提起しており、今後の研究を促進するだろう。」

新たにびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された374人の患者を対象としたこの試験では、ビタミンD値欠乏の一般的な臨床評価の根拠となる血清総25(OH)Dが、25ng/ml以下の患者が50%であった。患者の予後の悪化に関連する他の要因を除外した後で、ビタミンD値が不十分な患者とビタミンDが最適値にある患者とを比較した場合、ビタミンD欠乏患者では疾患進行が1.5倍で、死亡リスクは2倍であった。

この試験はメイヨークリニックとアイオワ大学の研究者からなるチームにより行われた。研究者らはアイオワ大学とメイヨークリニックのリンパ腫Specialized Program of Research Excellence(SPORE)に参加している。このプログラムは米国国立癌研究所(NCI)から資金援助を受けている。374人の患者はリンパ腫の予後予測因子を同定するようデザインされた疫学調査に登録していた。この調査は臨床試験ではなかったため、患者の管理や治療法は割り当てられていなかったが、標準的臨床治療法に準じたものであった。

得られた知見はビタミンDと、癌リスクおよび予後との関連性をさらに支持するもので、ビタミンDのサプリメントが、既に何らかの癌と診断された患者に対しても役立つ可能性を示すものだ、とDrake医師は述べる。「ビタミンDが癌の始まりや進行に果たしている明確な役割は不明である。しかしビタミンDが、癌を制限する他の重要な過程の中で、細胞増殖や細胞死の調整に何らかの役割を果たしていることははっきりと分かっている。」

この知見は、ビタミンDが総体的な健康にとって重要であることを示唆する他の分野での研究を強化するものでもある、とDrake医師は述べた。「ビタミンD値を維持するのは非常に簡単で、毎日、安価なサプリメントを摂取するか、あるいは夏に15分の日光浴を週に3回行うだけで、体脂肪中に蓄えることができる」。多くの医師が1日に800〜1200IU(国際単位)を推奨しているとDrake医師は補足した。

ビタミンDはステロイドホルモンの一種で、日光を受けた皮膚内において活性型に変換される。また食物(天然、あるいはミルクなどにみられる栄養強化食品)やサプリメントから得られる。血中へのカルシウムの流量を増やす働きが良く知られている。この働きにより、ビタミンD欠乏症は、特に、日光をビタミンDに変換する皮膚の機能が低下する高齢者において、骨量減少や骨折の大きな危険因子となることが以前から知られている。しかし最近の研究で、多くの人がビタミンD欠乏症になっていることわかってきており、研究者らはビタミンDの低値が健康状態全般の低下を促進するかを積極的に調べている。

癌研究者らは、前立腺癌や直腸癌、乳癌などのさまざまな癌において、ビタミンDが多くの遺伝子を調節していることを発見している。最近の複数の研究は、ビタミンD欠乏症がある種の癌を生じる中で役割を果たしている可能性や、癌の診断を受けた患者の予後に影響を与える可能性を示している。 NCI発行の米国死亡率マップから、冬季に日光の少ないアメリカ北部の住人においてリンパ腫の発症率と死亡率との両方が高くなっているという知見が集まったため、研究者らはリンパ腫患者におけるビタミン値を調査した。また、最近の複数の報告で、乳癌、直腸癌、頭頚部癌など他の癌においてもビタミンD欠乏症が予後不良に関連していると結論付けられている。これは、リンパ腫とビタミンDの関連性における予後を調べた最初の研究である。

この研究は米国国立癌研究所およびMayo Hematologic Malignancies Lymphoma Fundから資金援助を受けた。

他の研究者は以下のとおりである。
Ivana Micallef, M.D.; Thomas Habermann, M.D.; William Macon, M.D.; Joseph Colgan, M.D.; Matthew Maurer; Cristine Allmer; Susan Slager, Ph.D.; Thomas Witzig, M.D., and James Cerhan, M.D., Ph.D. Additional researchers include Brian Link, M.D., and George Weiner, M.D., both from the University of Iowa, Iowa City; Jennifer Kelly, Ph.D., University of Rochester in Rochester, N.Y.; and Daniel Nikcevich, M.D., St. Mary’s Duluth Clinic, Duluth, Minn.
Matthew Drake医師が研究について語るインタビューの抜粋を含む、音声・画像資料は、メイヨークリニックニュースブログで参照可能である。

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岡田章代訳
林正樹(血液・腫瘍内科)監修
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原文


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