稀な粘液性乳癌の予後は本当に良好であるか、MDアンダーソンの研究では疑問視/M.D.アンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

稀な粘液性乳癌の予後は本当に良好であるか、MDアンダーソンの研究では疑問視/M.D.アンダーソンがんセンター

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稀な粘液性乳癌の予後は本当に良好であるか、MDアンダーソンの研究では疑問視/M.D.アンダーソンがんセンター

必要最低限の治療の時代に、粘液癌患者には治療を減らすのではなく増やすことが必要になる場合がある
M.D.アンダーソンがんセンター
2009年12月12日

テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの研究者らは、粘液癌の乳癌患者における大規模な調査で、長い間良好な予後と関連づけられていた稀な種類の乳癌と、マンモグラフィーや超音波で検出されない多発性腫瘍とのあいだに関連性があることを明らかにした。

CTRC-AACRサンアントニオ乳癌シンポジウムで本日発表された本研究は、このようなよくない関連性を見出した初めての研究であり、粘液乳癌患者のケアにあたる人たちに対して、本疾患の特定の患者グループには、治療を減らすのではなく増やすことおよび追加の検診が必要ではないかと警告する、とM.D.アンダーソン放射線腫瘍科准教授であり本研究の筆頭著者であるGeorge Perkins医師は述べた。

粘液乳癌は、膠様癌(こうようがん)としても知られており、粘液を産生する癌細胞から形成される稀な種類の浸潤性乳癌である。Perkins医師は本疾患は診断された全ての乳癌の約2%を占めると推測した。粘液癌の予後は一般的な種類の浸潤性乳癌よりもよいと考えられている。

「粘液乳癌は長い間極めて予後が良好であると考えられてきた乳癌でありながら、予後が良好でない可能性のある側面の顕著な多病巣性と関連した疾患として同定したのはわれわれの研究が初めてです。われわれの発見は本疾患の患者の診療に携わる人たちに、MRIのような放射線画像的評価を増やすことおよび放射線学と病理学による術中の連携が必要ではないかと警告を与えるに違いありません。本疾患の患者は、術後治療が全くないこともあり得る最小限の有効な治療よりも標準的な放射線治療が必要になることもあります」とPerkins医師は述べた。

研究者らは1965年から2005年の間にM.D.アンダーソンで治療を受けた264人の粘液癌患者のカルテを調査した。年齢の中央値は57歳であり、追跡期間の中央値は168カ月であった。患者の86%は病期T2以下、80%はリンパ節転移なし、15%は1〜3個、5%は4個以上リンパ節転移陽性であった。

治療に関しては、患者の44%が乳房温存手術を受け、残りは乳房切除術を受けた。51%は放射線治療を受けた。

しかし、最初2つ以上の腫瘍が見られたのは患者の10%であったが、外科的切除および病理学的再検査完了後、多病巣性疾患の実際の発症率は38%であった。これらの腫瘍はマンモグラフィーや超音波では検出されなかった。

「多病巣性疾患の実際の発症率は非常な驚きであり真の関心事です。またわれわれは本集団で発症の年齢が低下しているように思われることも心配しています。この良好でない傾向を考え合わせると、われわれはこのサブタイプに対する個人に合わせた治療選択肢の研究を継続しなくてはならないし、患者は本疾患の予後がいつも良好であるという仮定に基づいてではなく実際の症状に基づいて治療を受けなくてはならないのです」とPerkins医師は述べた。

5年全生存率 、10年全生存率、15年全生存率はそれぞれ95%、88%、83%であった。5年無病生存率、10年無病生存率、15年無病生存率はそれぞれ97%、95%、92%であった。5年局所領域制御率、10年局所領域制御率、15年局所領域制御率はそれぞれ97%、94%、85%であった。外科的な選択肢を分析すると、全生存率、無病生存率または局所領域制御率で統計上の有意差は見られなかった。同様に、全乳房に放射線治療を受けた患者において全生存率または無病生存率に改善は見られなかった。しかし、放射線治療を受けずに外科的手術を受けた患者と比較すると、放射線治療を受けた患者で局所領域制御率が改善したという傾向は見られた。

追跡調査として、特別な検査および治療ガイドラインを確立するために、極めて進行性が強いと考えられる粘液乳癌のサブタイプについて研究を行っている。

Perkins医師の他の共著者は以下のとおりである。
Gildy Babiera, M.D., associate professor, Isabel Bedrosian, M.D., assistant professor, both of the Department of Surgical Oncology; Eric Strom, M.D., professor, Department of Radiation Oncology, Gary Whitman, M.D., professor, and Wei Yang, M.D., associate professor, both of the Department of Diagnostic Radiology; and Lavinina Middleton, M.D., associate professor, Department of Pathology

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張 知子 訳
原 文堅(乳腺科/四国がんセンター)監修
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原文


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