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NIHの試験により、コーヒーを飲む人は死亡リスクが低いことが判明

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NIHの試験により、コーヒーを飲む人は死亡リスクが低いことが判明

NCIプレスリリース 2012年5月16日

国立衛生研究所(NIH)の傘下である米国国立癌研究所(NCI)と、全米退職者協会(AARP)の研究者らが実施した試験によると、カフェインの有無に関わらず、コーヒーを飲む高齢者の方が飲まない高齢者よりも全死亡リスクが低かった。

コーヒーを飲む人では、心臓病、呼吸器疾患、脳卒中、外傷や事故、糖尿病、感染症が原因による死亡率が低かったが、癌との関連性は見られなかった。高齢者を対象とした大規模試験から、喫煙や飲酒など他の死亡危険因子の影響を補正したところ、以上の結果が認められた。しかし、このような関連性がコーヒーを飲めば実際に長生きになるということを示しているかどうかは明らかではない、と研究者らは忠告している。この試験の結果は、2012年5月17日付New England Journal of Medicine誌に掲載された。

NCIの癌疫学・遺伝学部門のNeal Freedman医学博士らは、NIH-AARP Diet and Health Study(食事・健康調査)に参加した50歳から71歳のアメリカ人男女400,000人を対象に、コーヒー摂取と死亡リスクとの関連性を検討した。コーヒー摂取に関する情報は、1995年から1996年の試験開始時のアンケートから1回入手した。参加者の死亡日、または2008年12月31日のいずれか早い方まで参加者を追跡した。

研究者らは、コーヒーと死亡リスク低下との関連性がコーヒー摂取量に伴い強まることを明らかにした。1日に3杯以上のコーヒーを飲む人は、コーヒーを飲まない人よりも、死亡リスクが約10%低かった。女性ではコーヒー摂取と癌死亡との関連性はみられなかったが、男性ではコーヒーの大量摂取と癌死亡リスク増加との間にきわめてわずかではあるが統計的に有意な関連性がみられた。

「コーヒーはアメリカでは最もよく飲まれている飲料のひとつであるが、コーヒー摂取と死亡リスクとの関連性はこれまで明らかではなかった。我々は、コーヒー摂取が全死亡リスク低下と多種多様な死因別死亡リスク低下とに関連していることを明らかにした」と、Freedman氏は述べた。「コーヒー摂取と死亡リスク低下との因果関係は推測できないが、以上の結果から、コーヒー摂取は健康に悪影響を及ぼさないことがある程度再確認できたと考えられる。」

研究者らは、コーヒー摂取はある一時点での自己報告から評価したものであるため、長期間の摂取パターンを反映していない可能性があると注意している。また、コーヒーの淹れ方の情報(エスプレッソ、ホット、ドリップなど)はなく、研究者らは、コーヒーの淹れ方がコーヒーに含まれる保護成分の濃度に影響を及ぼす可能性があると考えている。

「コーヒーには健康に影響を及ぼす可能性がある成分が1,000以上あるため、(実際にこの結果が因果関係を反映していた場合)コーヒーが死亡リスクを減らすメカニズムは明らかではない」と、Freedman氏は述べた。「これまで最も多く研究されている成分はカフェインであるが、摂取したコーヒーの大半がカフェイン有と報告した参加者でもカフェイン無と報告した参加者でも、結果はほぼ同じであった。」

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参考文献:Freedman ND, et. al. The Association of Coffee Drinking with Total and Cause-Specific Mortality, NEJM, May 17, 2012.

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小高良子 訳
朝井鈴佳(獣医学・免疫学) 監修
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原文

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