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1990年代初期以降、癌死亡率は引き続き減少との政府報告-過体重と運動不足が関連する癌に着目

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1990年代初期以降、癌死亡率は引き続き減少との政府報告-過体重と運動不足が関連する癌に着目

NCIプレスリリース

2012年3月28日

癌の罹患状況(1975年から2008年)に関する国への年次報告書によって、米国での男性、女性および小児の全ての癌における死亡率が2004年から2008年度の間に継続的に減少したことがわかった。発生率(新たに癌と診断される全体率)は、男性では2004年から2008年の間に年平均で0.6%減少した。女性の癌の総発生率は1998年から2006年を通して年0.5%に減少し、2006年から2008年を通して横ばいになった。

本報告は米国疾病対策センター(CDC)、北米がん中央登録所協会(NAACCR)、国立癌研究所(NCI)およびアメリカ癌協会(ACS)の研究者らによって共同執筆されており、2012年3月28日にCANCER誌電子版に掲載された。

特集記事では過体重と運動不足が癌リスクへもたらす影響について強調されている。食道の腺癌、結腸および直腸癌、腎臓癌、膵がん、子宮内膜癌と閉経後の女性たちの乳癌は過体重か肥満であることと関係がある。これらの癌のなかにも同じように十分な運動の不足と関係しているものがある。

「この報告によって運動不足、肥満および癌の関連性の識別における癌登録データの価値が示されました」。とCDC部長のDr. Thomas R. Frieden氏は述べた。「不健康で癌発生率が高い集団を同定することで、生活習慣行動や健康環境のサポートの改善を目的とした的を絞った救命戦略や介入を行うわれわれの癌との闘いがどのように進展しているか、癌登録データで最新情報が得られます」と、同氏は続けた。

30年以上に渡り米国では、過体重、運動不足および不健康な食事は、煙草に次いで疾病と死亡の予防可能な第二の原因であった。しかしながら1960年代から、喫煙は1/3まで減少した一方で、肥満率が2倍になり、これらの要因の病気負担への相対的な寄与に顕著な影響を及ぼした。過体重および十分な運動の欠如は多くの癌と同様、心臓血管病、高血圧、糖尿病と関節炎のリスク増加に関連づけられてきた。

「米国では、成人のうち3人に2人が過体重か肥満で、十分な運動をしているのは半分以下です」と、アメリカ癌協会最高経営責任者であるDr. John R. Seffrinshi氏は述べた。「小児および青年では、3人のうち1人が過体重か肥満です。そして高校生のうち推奨されたレベルの運動をしているのは4人に1人未満です。肥満と運動不足は全ての州が直面する重要な問題です。煙草を吸わない人々にとって、過体重と十分な運動の欠如はおそらく最も重要な癌のリスク要因でしょう」と同氏は続けた。

国への本報告は1998年に初めて公表された。癌の総死亡率と発生率の減少に加え、本年度の報告では女性の肺癌死亡率が2年連続で減少したことも記録されている。男性の肺癌死亡率は1990年代初期から減少してきた。

男性および女性の大腸癌発生率も1999年から2008年を通じ減少した。女性の乳癌発生率は1999年から2004年を通じ減少し、2004年から2008年は横ばいとなった。膵臓癌、腎臓癌、甲状腺癌、肝臓癌および黒色腫を含むいくつかの癌の発生率は、1999年から2008年を通じ増加した。

「全ての癌発生率の全体的な減少および死亡率の継続的な減少は、癌研究に対する国の投資によって、癌の予防、スクリーニング、診断および治療への救命アプローチが生み出されることの強力な証拠となります」と、NCI部長のDr. Harold E. Varmus氏は述べた。「しかし、もし癌発生率および死亡率におけるこれらの減少が、将来にわたって国への報告に反映されることを望むのならば、われわれが行っている今日の投資が非常に大切だとの認識は重要である」と、同氏は続けた。

19歳以下の小児における癌発生率は1992年から増加傾向にあり、2004年から2008年を通じで0.6%増加した。一方、同じ期間での死亡率は1.3%減少した。これらのパターンはより長期の傾向を正確に反映している。

人種および民族集団において、2004年から2008年度で癌発生率が最も高かったのはアフリカ系男性と白人女性であった。2004年から2008年を通じて癌死亡率はアフリカ系男性およびアフリカ系女性で最も高かった。しかし、これらの集団ではその他の民族集団と比較し、1999年から2008年の期間に死亡率が最大に減少したことが示された。人種または民族集団、性別および癌の部位による相違は、スクリーニングおよび治療へのアクセスとそれらの利用と同様、リスク要因の相違を反映するだろう。

「癌死亡率の継続的な減少は良い知らせである一方で、人種および民族集団のあいだに存在する永続的な格差を懸念し続けています」と、NAACCRの常任理事であるBetsy A. Kohler氏は述べた。「全患者に関する包括的な癌調査データの収集はこれらの相違と対処方法を理解するための手掛かりを提供するかもしれません」と、同氏は続けた。

本報告は米国における癌対策の継続的な進歩には、青年や成人における健康的な体重および十分な運動を促進する個人や地域の努力が必要であろうことを示唆している。

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参考文献:

癌の状況(1975年から2008年)に関する国への年次報告書: 体重超過および運動不足と癌との関連性の特集記事 (Eheman C, Henley SJ, Ballard-Barbash R, Jacobs EJ, Schymura MJ, Noone AM, Pan L, Anderson, RN, Fulton JE, Kohler BA, Jemal A, Ward E, Plescia M, Ries LAG, Edwards BK)

Cancer誌電子版: 2012年3月28日

本報告書を閲覧するには;
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1002/(ISSN)1097-0142.

本報告書のO&A を閲覧するには;
http://www.cancer.gov/newscenter/pressreleases/2012/ReportNationQA2012.

本報告とO&Aのスペイン語翻訳を閲覧するには; http://www.cancer.gov/espanol/noticias/ReportNationRelease2012Spanish.

米国疾病対策センター(CDC) 癌予防コントロール部門: http://www.cdc.gov/cancer;

全米癌登録計画(National Program of Cancer Registries): http://www.cdc.gov/cancer/npcr;

全米人口動態統計システム(National Vital Statistics System): http://www.cdc.gov/nchs/nvss.htm

アメリカ癌協会(ACS): http://www.cancer.org

米国国立癌研究所(NCI): http://www.cancer.gov

SEERプログラム(NCI’s Surveillance, Epidemiology, and End Results program): http://www.seer.cancer.gov

北米がん中央登録所協会(NAACCR): http://www.naaccr.org

原文

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佐々木了子 訳
後藤 悌 (呼吸器内科/東京大学大学院医学系研究科) 監修
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