費用負担が大きくなる複数の検査をしても膀胱癌再発の検出に寄与しないとみられることがM.D.アンダーソンの研究結果で示される/M.D.アンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

費用負担が大きくなる複数の検査をしても膀胱癌再発の検出に寄与しないとみられることがM.D.アンダーソンの研究結果で示される/M.D.アンダーソンがんセンター

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

費用負担が大きくなる複数の検査をしても膀胱癌再発の検出に寄与しないとみられることがM.D.アンダーソンの研究結果で示される/M.D.アンダーソンがんセンター

コスト削減と検出感度の最大化を検討する調査
M.D.アンダーソンがんセンター
2010年3月3日

テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの新たな研究で、研究者らは早期膀胱癌の再発を検出するための標準的方法である膀胱鏡検査が、腫瘍検出において費用対効果が高い方法であることを発見した。

膀胱鏡検査に他の検査を追加すると、精神的苦痛や不要な処置を招くおそれのある偽陽性の数だけではなく、検査費用も同時に上昇すると研究者らは付け加えた。

この研究は本日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のGenitourinary Cancer Symposium(泌尿生殖器癌シンポジウム)に先立って公表された。M.D.アンダーソンがんセンターのDepartment Genitourinary Oncology(泌尿生殖器腫瘍学部)のフェローであるJose Karam医師が研究結果を発表した。

「われわれの研究によって、医師らは使用可能な補助的“尿マーカー”の慎重な使用が可能になり、結果として費用の節約と膀胱癌患者の不安の軽減に結びつくでしょう」とM.D.アンダーソンがんセンターの泌尿器科准教授であり、泌尿器学的腫瘍学フェローシッププログラムの主任であるAshish Kamat医師は述べた。

「膀胱鏡検査にしばしば追加される検査では、一般に信じられているより多くの偽陽性が出る可能性があり、結果として不要な精密検査をしなければならないことがあります。また、われわれの研究結果によって、現在年間40億ドル程度である膀胱癌患者の治療費の削減に貢献できるかもしれません」と本研究の統括著者であるKamat氏は続けた。

早期膀胱癌、あるいは非筋層浸潤膀胱癌(NMIBC)は再発率が高い。患者は癌が再発した場合の早期発見に備え、3〜6カ月ごとに検査を、しばしば生涯にわたって受ける

膀胱鏡検査は外来で行う処置であり、小さなカメラのついた細いチューブを尿道から膀胱に挿入する。医師は膀胱内の腫瘍の有無を視覚的に調べることができる。検査の精度を保証し、膀胱癌再発を早期に検出するために、別の検査が何度も膀胱鏡検査に追加される。

「われわれは本研究でどの方法で膀胱を観察すれば、費用を最小化しつつ満足な腫瘍検出率が得られるのかを同定したかったのです」とKaram氏は述べた。

Kamat氏らはM.D.アンダーソンがんセンターの非筋層浸潤膀胱癌(NMIBC)患者200例を前向きに評価した。また、膀胱鏡検査のみの場合の精度および費用を、膀胱鏡検査と下記の検査を組み合わせた場合と比較した。

• 膀胱の細胞を顕微鏡で診断する細胞診
• NMP(核マトリックスプロテイン)22の値を測定する尿検査であるNMP22検査
• 膀胱細胞における染色体異常を調べる尿検査であるFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)検査
• FISH検査により確認されたNMP22

またKamat氏らは、検出された腫瘍数と検査費用(Medicare 2009年のデータに基づく)に加えて、偽陽性の結果が出た場合の精密検査費用を検討することにより、各検査法で検出された腫瘍あたりの費用を導き出した。膀胱鏡検査のみの場合の費用は7,692ドルと最も安く、膀胱鏡検査とFISH検査を組み合わせた費用は19,111ドルと最も高くなった。

しかしこれらの追加費用にもかかわらず、検査を追加しても良い結果は得られなかった。膀胱鏡検査は腫瘍を発見するための費用対効果が最も高かった。膀胱鏡検査で出た偽陽性は2例で、全ての検査中最も少なかったが、膀胱鏡検査とFISH検査を組み合わせた場合では、偽陽性の数は30例と最も多かった。

「補助的に行う検査には再発を早期に予測する特性があると考える人もいます」とKamat氏は述べた。「これを明らかにするために、われわれはその後の検査、つまり最初のフォローアップで検出された腫瘍数を考慮に入れ、補助的な検査を行うことで検出率が上昇したかどうか評価しました。その結果、少数の患者では腫瘍が実際に再発する前に検査結果が陽性になったものの、大多数の患者では偽陽性でした。」

Kamat氏は近い将来に多施設共同試験によって本研究の結果を確認したいと述べた。

******
山本 容子訳
榎本 裕(泌尿器科医)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1血中循環腫瘍DNAに基づくリキットバイオプシーの可能...
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  4. 4乳がん検診におけるマンモグラフィの検査法を比較する新...
  5. 5免疫療法薬の併用はタイミングと順序が重要
  6. 6BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  7. 7アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  8. 8リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解

お勧め出版物

一覧

arrow_upward