進行あるいは再発子宮内膜癌の治療に新しい併用化学療法が有望/M.D.アンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

進行あるいは再発子宮内膜癌の治療に新しい併用化学療法が有望/M.D.アンダーソンがんセンター

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

進行あるいは再発子宮内膜癌の治療に新しい併用化学療法が有望/M.D.アンダーソンがんセンター

ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法により50%の患者が奏効を示した
M.D.アンダーソンがんセンター
2010年3月17日

テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの研究者らは、子宮内膜癌が進行あるいは再発した女性における小規模試験で、ゲムシタビンとシスプラチンを併用した場合、奏効率は患者の50%であったと報告した。

M.D.アンダーソンの婦人科腫瘍学部門の准教授であるJubilee Brown医師は、この知見を3月17日、婦人科癌に関する婦人科腫瘍学会の第41回年次総会(Society of Gynecologic Oncologists’ 41st Annual Meeting on Women’s Cancer)で発表した。

早期ステージの子宮内膜癌は一般的に標準療法に良好な奏効を示すが、一方、進行あるいは再発癌では、限定的で有効性が低い化学療法およびホルモン療法しか選択できないため生存率が低い結果となっている。米国癌協会は子宮内膜癌のステージ4にある女性で5年以上生存する可能性がある割合は15%、つまり20人に3人であると推定している。

20人の患者を対象としたこの第2相試験では、現在では他の癌の治療に適用されているゲムシタビンとシスプラチンの併用療法が、その毒性を許容できるレベルに維持しつつ病勢の進行を制限し、無増悪生存率を改善する知見を得た。両剤を併用した場合に、ゲムシタビンがシスプラチンに対する細胞の抵抗性を抑制することで腫瘍細胞へのダメージを倍増すると考えられている。

「この結果は有望で、進行がんを患っている女性のための研究に新しい方向性を示すものです」と試験の筆頭著者であるBrown医師は述べた。「この知見は進行癌患者に治療の選択肢を増やす可能性を有しますが、標準療法として確立するためにはさらに研究が必要です。」

研究者らは2004年11月から2009年9月までの期間、子宮内膜癌のステージ4あるいは再発した患者を単一施設試験に登録した。患者は化学療法のサイクルごとにゲムシタビン投与を受けた後にシスプラチン投与を2回受けた。化学療法は平均で5サイクルであった。患者への奏効は3サイクルごとに、理化学検査と婦人科検査、および画像診断(コンピュータ断層装置あるいは磁気共鳴撮像装置)で評価された。

患者20人のうち、2人が完全寛解を示し、8人に部分寛解、あるいは腫瘍縮小または体内での癌の広がりの縮小が認められた。6人では病状が安定し、すなわち癌の大きさおよび重症度が増加も減少もしなかった。4人では病勢が悪化し、腫瘍の増殖または転移を示した。

この知見は50%の奏効率つまり病勢の改善率を示した。加えて、2剤併用療法の臨床的有用性は80%で、患者20人中16人に病勢の改善または安定がみられた。この療法による全ての有害事象は治療が可能である。試験の結果から、この併用療法についての確証を得るためのより大きな多施設試験が行われるのを確信していると、Brown医師は述べた。

米国国立癌研究所(NCI)によれば、米国では子宮内膜癌は婦人科における最も発生頻度の高い悪性腫瘍で、女性の中では4番目に多い癌である。2009年には8000人近い女性がこの病気で死亡した。

ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法は他の部位の癌で広く研究されており、ヒトの細胞株(子宮内膜、卵巣、結腸、肺および頭頚部癌の扁平上皮細胞)で2剤の相乗作用が確認されている。

すべてのM.D.アンダーソンでの研究におけるBrown医師の他の共著者は以下のとおりである。 Judith K. Wolf, M.D., professor and associate director; Judith A. Smith, Pharm. D., associate professor; Lois M. Ramondetta, M.D., associate professor; Pedro T. Ramirez, M.D., associate professor; Robert L. Coleman, M.D., professor and director of clinical research; Charles F. Levenback, M.D., professor; Mark Munsell, M.S., senior research statistician; and Maria Jung, R.N., all from the Department of Gynecologic Oncology, and Anil K. Sood, M.D., professor and director of ovarian cancer research in the Department of Gynecologic Oncology and professor in the Department of Cancer Biology.

本研究はイーライ・リリー社の研究費援助を受けている。

******
岡田章代訳
辻村信一(獣医師・農学メディカルライティング)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

arrow_upward