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早期終了した臨床試験では治療効果がしばしば誇張される

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早期終了した臨床試験では治療効果がしばしば誇張される


メイヨークリニック
2010年3月23日

治療効果が良好であることを理由に早期終了した約100の臨床試験についての国際的な研究で、これらの効果の多くは誇張されていたことが分かった。JAMA誌最新号で発表された本研究の著者らは、研究者は臨床試験の早期終了への圧力に屈することなく、早期終了を検討する以前に、より長期にわたって試験を継続するよう勧告した。[pagebreak]動画情報:研究について述べるMontori医師とのインタビューの抜粋など音声・動画資料がメイヨークリニックの
ニュースブログで参照できる。

これらの資料はアクセス制限の対象であるが、ニュース記事として利用できるようにジャーナリストは事前登録可能である。本記事のパスワードはmontori32310。

「ほとんどの場合、臨床試験を早期終了することで、治療効果の推定について誤認していると私たちの研究は示しています。このような誤認による推定値は、治療の二律背反するリスクとベネフィットについて誤った決定をもたらす可能性があります」とメイヨークリニックの内分泌学者で本研究の責任著者であるVictor Montori医師は言う。「平均すると、早期終了した試験は、効果のない治療で約30%の相対リスクの低下を示し、真に20%の相対リスク低下効果のある治療では40%以上の低下を示します」

Montori氏らが調査した臨床試験では、新薬と既存の標準治療薬との間に、確固たる、大きく明きらかな有効性の差があったため早期終了した。試験が終了し、プラセボまたは効果の少ない治療を受けていた参加者は新薬を服用することもできる。多くの場合、新薬がより早く市場に出るため、医師はその新薬を早期に処方することが可能になる。医師、研究者、投資家、製薬会社、科学誌、さらには記者など、患者を除くほぼすべての人々が試験の早期終了による恩恵を受けたが、患者は治療効果について誤認させるような情報に基づいて投薬される可能性があるとMontori氏は述べる。

研究者は早期終了した91試験に関する63件の医学上の疑問点を調査し、早期終了しなかった比較可能な424試験と比較した。その結果、早期終了した試験では、特に参加者が数百人の小規模な試験で、治療効果が誇張されたか、または誤解を招くようなものであったことが明らかになった。研究者は新薬が有意に効果があると認識された後は、その論題に立ち戻ることが少ないため、これらの誤解による新薬は、多くの場合市販されることになる。

研究者は抑制手段を用い、試験終了間近にのみ、かつ「十分に妥当な理由」をもってのみ臨床試験を打ち切るよう著者らは勧告している。「そうでなければ、患者や医師は不正確な、または、さらに悪い情報に基づいて他の治療法がより適切である場合でも、誤った治療薬を選択することになります」とMontori氏は言う。

本研究は、英国の医学研究審議会の支援を受けた。他の著者は以下のとおりである。
Dirk Bassler, M.D.; Matthias Briel, M.D.; Qi Zhou, Ph.D.; Stephen Walter, Ph.D.; Gordon Guyatt, M.D.; and Diane Heels-Ansdell, all of McMaster University, Ontario; Melanie Lane, Mayo Clinic; and Paul Glasziou, M.B.B.S., Ph.D., University of Oxford, England.

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吉田加奈子 訳
辻村信一(獣医師・農学メディカルライティング)監修
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原文


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