中悪性度リンパ腫に対する有望な治療法 | 海外がん医療情報リファレンス

中悪性度リンパ腫に対する有望な治療法

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中悪性度リンパ腫に対する有望な治療法


メイヨークリニック
2010年5月26日

米国およびヨーロッパの24施設を対象としたこの国際的な研究は、2010年6月4日〜8日にシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会学術集会で発表予定である。

形質転換型のリンパ腫患者にレナリドマイドを投与すると45%が良好な反応を示した。この免疫調整剤は体内のナチュラルキラー細胞を活性化し、癌細胞シグナル伝達を遮断することで細胞死を誘導し、リンパ腫を死滅させる。これらの患者の21%は完全寛解を得、そのうち数名で完全寛解の状態が1年以上続いた。。[pagebreak]形質転換型のリンパ腫は侵攻型の血液腫瘍である。現在の治療では患者の生存期間中央値は1.7年である。それとは対照的に、低悪性度または進行の遅いリンパ腫患者は有病でも10〜20年の生存が可能である。しかし、その10年の間に低悪性度リンパ腫患者の約30%がリンパ腫の形質転換を起こす。

「この研究結果により、予後が非常に悪い形質転換型のリンパ腫患者における顕著な奏効率が明らかになりました」メイヨークリニックの血液学者でメイヨークリニック・アリゾナキャンパスでの第2相試験の試験責任医師であるCraig Reeder医師は述べる。第2相試験は通常300人未満の患者を対象とし、特定の治療法の有効性を評価することを目的として計画されるものである。

この研究では217人の中悪性度リンパ腫患者が対象となった。このうち33人が形質転換型リンパ腫症例であり、レナリドマイドを投与された。患者年齢は42歳から84歳であった。患者の半数以上がステージ4のリンパ腫、すなわちリンパ腫が多部位または多臓器に浸潤していた。全ての患者は腫瘍を縮小させるために化学療法を受け、うち何人かは幹細胞移植を受けた。先に行われた治療回数の中央値は4回であり、最大12回に及んでいた。

患者はレナリドマイド錠を1日25mg、21日間服用した。続く7日間は薬剤を投与しなかった。リンパ腫の進行の兆候があるまで薬剤投与を継続した。全体で患者の45%がこの治療に良好な反応を示したが、形質転換型のリンパ腫のタイプにより結果は異なった。

最も頻度が高い、濾胞性リンパ腫から形質転換した症例では、23人中13人(57%)がレナリドマイドに良好な反応を示した。他の型の形質転換型リンパ腫(慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫などからの形質転換)を有する患者10人は反応しなかった。

Reeder氏は「レナリドマイドを投与された患者数は少ないが、奏効率や奏効期間、治療のシンプルさを考えるとこの結果には期待できます」と指摘した。奏効した患者のうち、レナリドマイドの良好な効果が得られた期間の中央値は13カ月であった。化学療法薬に比べ、レナリドマイドは投与しやすく忍容性も良好であった。「レナリドマイドは患者に対する毒性がないのが魅力です」とReeder氏は言う。副作用は軽度であり、白血球数減少等が見られた。

レナリドマイドは、多発性骨髄腫および特定の骨髄異形成症候群の治療薬としてFDA(米国食品医薬品局)により承認されている。メイヨークリニックの研究者らはレナリドマイドのリンパ腫治療薬としての可能性について約2年間研究を続けてきている。形質転換型のリンパ腫患者の治療における役割を確定するために、今後もさらなる研究が必要とされている。

ASCO(米国臨床腫瘍学会)抄録番号: 8037

動画情報:本調査に関するCraig Reeder医師のインタビューからの抜粋を含むオーディオおよびビデオの補足的なリソースはMayo Clinic News Blog(http://newsblog.mayoclinic.org/2010/05/26/study-identifies-promising-treatment-for-aggressive-lymphoma/) でアクセス可能です。

メイヨークリニックについて
メイヨークリニックは世界初かつ最大規模の非営利医療組織である。各分野の医療専門家が、共通組織と「患者のニーズが第一」という理念をひとつにして患者の治療にあたっている。3,700人以上の医者、科学者、研究者と50,100人の提携スタッフがミネソタ州ロチェスター、フロリダ州ジャクソンビル、アリゾナ州スコッツデール、同フェニックス、西ウィスコンシン、北東アイオワで勤務している。これらの施設では毎年50万人以上の患者を治療している。
メイヨークリニックの最新ニュースリリースについてはwww.mayoclinic.org/news を、研究・教育に関する情報については www.mayo.edu を、一般医療情報についてはwww.mayoclinic.com を参照ください。

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山本容子 訳
吉原 哲(血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院)監修
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原文


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