CMLの二次治療薬は効果がより早く得られ副作用が少ない—中枢となる試験結果/M.D.アンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

CMLの二次治療薬は効果がより早く得られ副作用が少ない—中枢となる試験結果/M.D.アンダーソンがんセンター

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

CMLの二次治療薬は効果がより早く得られ副作用が少ない—中枢となる試験結果/M.D.アンダーソンがんセンター

M.D.アンダーソン主導の第3相臨床試験により、初回治療にはスプリセル(Sprycel)がグリベックよりも優れていることが示された
M.D.アンダーソンがんセンター
2010年6月5日

ダサチニブ(dasatinib)は、薬剤耐性のある慢性骨髄性白血病(CML)に対する治療薬として現在承認されているが、テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターの研究者らによると、従来のものよりも、初回治療薬としてより早く、より良好な効果が認められた。
これらの結果は、本日開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会でM.D.アンダーソンがんセンター白血病科の教授で部長であり、本研究の責任著者であるHagop Kantarjian医師により発表された。また、結果はNew England Journal of Medicine誌にも掲載された。

Kantarjian氏によると、現在、イマチニブ(商品名グリベック)はCMLの承認済み初期治療薬であり、イマチニブによりCMLの5年生存率が50%から90%に向上した。その一方、イマチニブ投与患者の30%から40%は、1年以内に確定された細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)、つまり疾病の原因となる染色体異常が検出されない状態に達することはないという。この評価基準は明らかに長期転帰における改善に関連付けられるとKantarjian氏は述べた。

「M.D.アンダーソンの過去の研究から、現行の標準療法を受ける患者よりもダサチニブ投与患者でより早く完全寛解に達することが明らかになっています」とKantarjian氏は述べた。「この中枢となる第3相臨床試験において、ダサチニブはイマチニブよりもより多くの患者をより早く質の高い寛解に導き、より優れた初回治療薬としての地位を築きあげたことをわれわれは確認いたしました。また、ダサチニブは概して良好な副作用プロフィールを有しています」。

DASSIN(前治療歴のないCML患者を対象としたダサチニブとイマチニブの比較研究)として知られている多国籍第3相臨床試験では、前治療のない新たに診断されたCML患者519人をスプリセル(Sprycel)としても知られているダサチニブ100 mgを1日1回投与する群(259人)と、イマチニブ400 mgを1日1回投与する群(260人)に無作為に割付けた。2回の検査によって確定されたCCyRを本研究の主要評価項目とした。副次的評価項目は、CCyRおよび染色体異常の割合が0.1%以下の場合と定義される分子遺伝学的大寛解(MMR)の達成率と達成までの日数、および安全性とした。

12カ月以上のフォローアップ後のダサチニブ投与群における確定されたCCyRおよびMMRの達成率はそれぞれ77%と46%であったのに対し、イマチニブ投与群ではそれぞれ66%と28%であった。

治療の効果が認められなかったのは、ダサチニブ投与群では5人(1.9%)であったのに対し、イマチニブ投与群では9人(3.5%)であった。ダサチニブ投与群における副作用の報告は少なく、嘔気、嘔吐、筋肉の炎症、発疹、体液貯留などであったが、頻度が最も高かったその他の毒性は両群で共通していた。

「癌治療においては、最初から奥の手を使用することが大切であることをわれわれは学びました。治療開始から1年以内に細胞遺伝学的な完全寛解が得られれば、患者はより良好な状態で長期間生存することが分かっています。したがって、この第2世代の薬剤を最初に使用することで、CML患者の転帰を改善させることが可能になります」とKantarjian氏は述べた。

CMLはある種の白血球の過剰産生をもたらす異常なタンパク質であるBcr-Ablタンパク質を作り出すフィラデルフィア染色体として知られる染色体の異常が原因で起こる。チロシンキナーゼ阻害剤であるダサチニブは、Bcr-Ablタンパク質の活性を阻害する。ダサチニブはイマチニブに忍容性がない場合、あるいはCMLがイマチニブ耐性を有する場合の薬剤として現在、米国食品医薬品局の承認を受けている。

本研究は、ダサチニブの製造元であるBristol-Myers Squibb社の資金援助を受けている。Kantarjian氏は同社から研究資金の援助を受けている。

Kantarjian氏の他のASCO研究における共著者は以下のとおりである。Jorge Cortes, M.D., Department of Leukemia, MD Anderson; Neil Shah, M.D., Ph.D., San Francisco School of Medicine; Andreas Hochhaus, M.D., Universitaetsklinikum Jena; Sandip Shah, M.D., Vedanta Institute of Medical Sciences; Manuel Ayala, M.D., Centro Medico Nacional La Raza; Beatriz Moiraghi, M.D., Hospital General De Agudos J.M. Ramos; Mejia M. Brigid Bradley-Garelik, M.D, Bristol-Myers Squibb; Chao Zhu, Ph.D., Bristol-Myers Squibb, and Michele Baccarani, M.D., University of Bologna.

******
栃木和美訳
吉原 哲(血液内科/造血幹細胞移植)監修
******


原文


printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3がんに対する標的光免疫療法の進展
  4. 4「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  9. 9ASCO、がん臨床試験に対する適格基準の緩和を推奨
  10. 10ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず

お勧め出版物

一覧

arrow_upward