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腎臓癌の生存期間を延長させる外科手法がメイヨークリニックにて特定

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腎臓癌の生存期間を延長させる外科手法がメイヨークリニックにて特定


メイヨークリニック
2010年6月1日

腎臓癌は他の臓器に転移すると、多くの患者が予後不良となる。メイヨークリニックの新しい研究では、腎臓癌のうち特に腎細胞癌の外科的治療の利点と、癌の予後がどのように改善するかを分析した。この研究結果は、サンフランシスコで本日開催された米国泌尿器科学会(American Urological Association)会議で発表された。
米国では、毎年約50,000例の腎臓癌が新たに診断されている。成人で最も一般的な腎臓癌は、腎細胞癌である。腎臓癌の罹患率は上昇しているとみられるが、その理由は明らかになっていない。

「外科手術は依然として多くの患者の治療計画にとって極めて重要です。私たちは、原発腫瘍、場合によっては転移腫瘍の積極的な外科的治療など、患者管理を向上させる方法を常に模索しています」メイヨークリニック泌尿器科の外科医であり、本研究の筆頭著者であるBradley Leibovich医師は言う。

888人の腎細胞癌患者を対象としたメイヨークリニックの研究では、すべての転移腫瘍の全摘出を受けた患者は平均5年間生存した。これに対して、転移腫瘍の摘出を受けなかった患者の癌特異的生存期間はわずか1年であった。腎細胞癌は他の臓器に転移すると治癒が困難になるため、これは励みになる研究結果である。患者の約30%では、腎細胞癌と診断された時点ですでに転移しており、肺が最も多い転移部位である。転移を認めない腎細胞癌の場合、外科手術で治癒することが多く、特にこのタイプの癌は化学治療や放射線治療では良好な反応が得られないため、外科手術は極めて重要な治療の選択肢となる、とLeibovich医師は述べている。

メイヨークリニック研究の重要性
「メイヨークリニックでは、30年間に及ぶ、腎臓癌外科手術結果の評価基準を示す腎摘出レジストリを保持しています」とLeibovich医師は言う。「私たちの分析では、腎細胞癌の多発性転移の患者は、転移巣をすべて摘出することで、かなりの割合で転帰が良好になることが分かっています」。

本研究は、3つの癌患者群の生存期間を比較するもので、患者は全員、腎臓に由来する癌の治療のために腎摘出を受けている。比較群は以下の通りで、1976年〜2006年にメイヨークリニックで治療を受けた患者からなる。

1. 治療タイプ – 転移腫瘍の外科的摘出なし – 全888人中、この治療を受けた患者数:506人(57%)-癌特異的生存期間中央値:1.1年

2. 治療タイプ – 不完全型外科的摘出(転移癌を一部切除)- 全888人中、この治療を受けた患者数:257人(29%)- 癌特異的生存期間中央値:2.6年

3. 治療タイプ – 完全型外科的摘出(肉眼的に確認できる腫瘍組織を全て切除) – 全888人中、この治療を受けた患者数:125人(14%) – 癌特異的生存期間中央値:4.8年

転移部位による違い
本研究では、転移部位によって生存期間が異なることも明らかになった。たとえば、肺だけに転移が認められる患者が肺病変の全摘出を受けた場合、肺以外の部位に転移した患者が腫瘍の全摘出を受けた場合と比較して、経過が最良であった。肺転移群では、他の死因ではなく、死因が癌であるとして算出された癌特異的生存期間(CSS)中央値は10年以上であった。これに対して、肺以外の部位の全摘出を受けた患者のCSS中央値は3.6年であった。

協力とサポート
その他の研究者は次の通りである。
Angela Alt, M.D.; Stephen Boorjian, M.D.; Christine Lohse, Michael Blute, M.D.
彼らの研究はメイヨークリニック医療教育・研究基金により助成された。

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森島 由希 訳
北村 裕太(農学/医学) 監修
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原文


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