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BRCA1 およびBRCA2変異を有する卵巣癌女性は変異を有さない女性よりも生存率が高い

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BRCA1 およびBRCA2変異を有する卵巣癌女性は変異を有さない女性よりも生存率が高い

NCI ニュースノート  2012年1月24日

卵巣癌のBRCA1 およびBRCA2 遺伝子変異保因者は、これらの変異を有さない女性患者よりも診断後5年時点での生存可能性が高いということを示す有力なエビデンスが、 2012年1月25日付けのJournal of the American Medical Association誌に掲載された米国国立癌研究所(NCI)出資の多施設試験の結果によって示されている。これらの知見は2011年の論文抄録をさらに確固たるものにするものであり、BRCA2変異保因者のみが予後の改善を示したという、癌ゲノムアトラス(TCGA)プロジェクトからのデータの最近の分析結果とは対照的なものである。TCGAの小規模なデータセットからはBRCA1変異保因者と非保因者間の違いは示されなかったが、今回の新しい、より大規模での試験では、BRCA1保因者にも予後の改善が認められた。

BRCA1およびBRCA2遺伝子のまれな変異は、乳癌および卵巣癌両方に対して高リスクであることはよく知られている。これまでの研究により、BRCA変異を有する卵巣癌患者は変異を有さない患者よりも生存期間が長いことが示されてきたが、これらは少数の患者に限定された結果であり、BRCA1BRCA2の変異について個々に調べることはできなかった。本試験でNCIの研究者らは、特定のBRCA変異と卵巣癌の生存率の関係性についてさらなる調査を行った。研究者らは上皮性卵巣癌患者1,213人(BRCA1変異を有する女性909人、BRCA2変異を有する女性304人)と変異を有さない患者2,666人について調査し、BRCA2変異保因者はBRCA1変異保因者よりも生存期間が長いことを発見した。BRCA2変異保因者は診断後5年生存割合が52%であったのに対し、BRCA1変異保因者は44%であった。遺伝子変異を有さない女性の5年生存割合は36%であった。これまでの研究で、BRCA1およびBRCA2変異保因者における生存期間の改善はプラチナ製剤ベースの化学療法への反応が良好であることによる可能性が高いことが示唆されている。

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北川瑠璃子 訳
原野謙一 (乳腺科・婦人科癌・腫瘍内科/日本医科大学武蔵小杉病院) 監修
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原文

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