2012/01/24号◆FDA情報「血中化学療法薬の毒性を低下させるために、グルカルピダーゼを認可」「リンパ腫治療薬に対し、新たな警告を追加」 | 海外がん医療情報リファレンス

2012/01/24号◆FDA情報「血中化学療法薬の毒性を低下させるために、グルカルピダーゼを認可」「リンパ腫治療薬に対し、新たな警告を追加」

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2012/01/24号◆FDA情報「血中化学療法薬の毒性を低下させるために、グルカルピダーゼを認可」「リンパ腫治療薬に対し、新たな警告を追加」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2012年1月24日号(Volume 9 / Number 2)

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~
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◇◆◇ FDA情報 ◇◆◇

・血中化学療法薬の毒性を低下させるために、グルカルピダーゼを認可
・リンパ腫治療薬に対し、新たな警告を追加

血中化学療法薬の毒性レベルを低下させるために、グルカルピダーゼを認可

食品医薬品局(FDA)は先週、化学療法薬メトトレキサート(Abitrexate)が血中で有害な濃度に達した患者を治療するため、glucarpidase(グルカルピダーゼ:Voraxaze)を承認した。

通常メトトレキサートは腎臓によって体外へ排出されるが、高用量のメトトレキサート投与患者では腎不全を発症することがある。グルカルピダーゼは、メトトレキサートを体外に迅速に排出される毒性のない物質へと急速に分解する酵素である。

「高濃度のメトトレキサートに長時間曝露すると、腎・肝障害や重度の口内炎,腸内膜の損傷、発疹、さらに血球数低下により死亡することがある」と、FDAの医薬品評価研究センターの血液・抗腫瘍薬製品室長Dr. Richard Pazdur氏はニュースリリースで述べた。

グルカルピダーゼは、オーファンドラッグに指定されている。この指定は米国で20万人未満が罹患する疾患や健康状態に対する治療薬に与えられる。

22人を対象とした臨床試験において、グルカルピダーゼの静注は10人で有効であった。すなわち、患者のメトトレキサート濃度が15分以内に危険なレベルを下回り、さらに8日間にわたりそのレベル未満に留まった(メトトレキサート濃度はNCIで感度・特異度の高い 検査を用いて分析)。すべての患者でこの結果を得たわけではないが、グルカルピダーゼは全患者でメトトレキサートの95%を排出させた。

別の臨床試験では、血中からのメトトレキサート除去に問題があった290人において、グルカルピダーゼの安全性を評価した。本試験でもっとも多くみられた副作用は低血圧、頭痛、悪心、嘔吐、紅潮、皮膚の感覚異常(知覚障害)であった。

これらの患者の多くは、NCIの癌治療評価プログラムが実施する例外的使用試験の参加者であった。この試験において、グルカルピダーゼは忍容性が良好で、血中メトトレキサート濃度を急速かつ著しく低下させることが示された。

リンパ腫治療薬に対し、新たな警告を追加

食品医薬品局(FDA)は、リンパ腫治療薬brentuximab vedotin(ブレンツキシマブ・ベドチン:Adcetris)に黒枠警告を追加し、稀ではあるが脳の重篤なウイルス感染症であり、死亡することもある進行性多巣性白質脳症(PML)の危険性を強調した。FDAはブレンツキシマブ・ベドチンと抗腫瘍薬ブレオマイシンの併用に対し、咳や息切れを特徴とする肺毒性リスクが上昇することから、新たに禁忌の警告を追加した。

2011年8月21日にFDAは、ブレンツキシマブ・ベドチンをホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫に対して認可した。この治療薬は、薬物に抗体を結合させることにより、薬物を標的リンパ腫細胞へと導く。本剤承認当時は、薬剤安全情報に1例のPMLが記載されていた。1月13日の薬剤安全性通達において、FDAはさらに2例のPMLを公表した。

PMLの徴候と症状は数週間から数カ月かけて進展することがある。気分変化あるいは日常行動の変容、錯乱、思考力低下、記憶障害,視覚・会話・歩行の変化、および体の片側における体力の低下または脱力などがありうる。PMLの徴候や症状がみられる患者は、ただちに医療専門家に知らせるべきである。PMLが疑われる場合はブレンツキシマブ・ベドチン治療を中断し、PMLの確定診断がついた場合は中止すべきである。

患者と医療専門家は、PMLの確定診断のついた患者も含めブレンツキシマブ・ベドチンによる重度副作用を、FDA MedWatchプログラムにオンライン上あるいは電話1-800-332-1088で報告することが求められている。

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大倉綾子 訳
林 正樹 (血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修
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