Temsirolimus(CCI-779)/Temsirolimus(CCI-779)は膠芽細胞腫、乳癌およびマントル細胞リンパ腫に有効 | 海外がん医療情報リファレンス

Temsirolimus(CCI-779)/Temsirolimus(CCI-779)は膠芽細胞腫、乳癌およびマントル細胞リンパ腫に有効

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Temsirolimus(CCI-779)/Temsirolimus(CCI-779)は膠芽細胞腫、乳癌およびマントル細胞リンパ腫に有効

キャンサーコンサルタンツ
2005年8月

2005年8月10日のJournal of Clinical Oncologyでは、mTORを阻害するラパマイシンのエステル、temsirolimusが多形性膠芽腫、乳癌およびマントル細胞リンパ腫で臨床的効果があることを示す3つの第Ⅱ相試験について掲載している[1][2][3]

Temsirolimusはラパマイシンのジヒドロエステルであり、静脈内投与されるが、さまざまな癌での第Ⅱ相試験が実施されている。現在のところ、temsirolimusは腎細胞癌治療のためのファストトラック(FDAの優先審査制度)に入っている。ボストンにあるBeth Israel Deaconess Medical Centerの研究者らによる第Ⅱ相無作為化試験では、temsirolimusにより治療抵抗性の進行性腎細胞癌患者の7%に客観的反応(1例に完全奏功、7例に部分奏功)が得られた[4] 。さらに26%の患者で「やや有効(訳注;評価病変の25%以上50%未満の縮小)」であった。

 

メイヨークリニックの研究者らは、再発性の多形性膠芽腫患者65例の治療を行った。非血液学的毒性として高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高血糖症が見られた。神経画像診断により、患者の36%に改善が認められ、temsirolimusに反応を示した患者では無反応の患者より長い生存期間を示した。また、ベースラインの腫瘍サンプル中のリン酸化p70s6キナーゼレベルが高い場合、治療に対して反応すると予測できると考えられた。

 

局所進行性乳癌または転移性乳癌の患者109例を対象にtemsirolimusの2つの用量レベルを採用した、ヨーロッパでの多施設試験が実施された。奏効率は9.2%であった。もっとも一般的な副作用は粘膜炎、発疹、悪心であった。また、患者の約5%に傾眠およびうつが認められた。

 

メイヨークリニックおよび共同研究機関は、temsirolimusで治療を行った治療抵抗性マントル細胞リンパ腫の患者35例の転帰を報告した。この患者群の年齢の中央値は70歳であった。全奏効率は35%で、一例に完全寛解が見られた。疾患の進行までの期間の中央値は6.5カ月であった。もっとも頻繁に起こった副作用は血液学的毒性であったと報告された。これらのことから他の治療抵抗性リンパ腫のtemsirolimusへの反応性の評価が必要であることが示唆された。

 

コメント

治療抵抗性の患者を対象とするこれらの第Ⅱ相試験によりtemsirolimusの広範囲の治療効果が示唆される。また、前臨床データからtemsirolimusがPlatinol(成分名:シスプラチン)への治療抵抗性を覆す可能性が示唆されている。本薬剤の単独または併用での今後の研究が非常に興味深い。

参考資料:
[1] Galanis E, Buckner JC, Maurer MJ, et al. Phase II trial of temsirolimus (CCI-779) in recurrent glioblastoma multiforme: A North Central Cancer Treatment Group Study. Journal of Clinical Oncology. 2005;23:5294-5304.
[2] Chan S, Scheulen ME, Johnston S, et al. Phase II study of temsirolimus (CCI-779), a novel inhibitor of mTOR, in heavily pretreated patients with locally advanced or metastatic breast cancer. Journal of Clinical Oncology . 2005;23:5314-5322.
[3] Witzig TE, Geyer SM, Ghobrial I, et al. Phase II trial of single-agent temsirolimus (CCI-779) for relapsed mantle cell lymphoma. Journal of Clinical Oncology . 2005;23:5347-5356.
[4]?Atkins MB, Hidalgo M, Stadler WM, et al. Randomized phase II study of multiple dose levels of CCI-779, a novel mammalian target of rapamycin kinase inhibitor, in patients with advanced refractory renal cell carcinoma. Journal of Clinical Oncology. 2004;22:909-918.


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翻訳South

監修榎本 裕(泌尿器科)

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