第1相臨床試験の結果よりPonatinib(ポナチニブ)が最も難治性の慢性骨髄性白血病(CML)に有効/MDアンダーソンがんセンター | 海外がん医療情報リファレンス

第1相臨床試験の結果よりPonatinib(ポナチニブ)が最も難治性の慢性骨髄性白血病(CML)に有効/MDアンダーソンがんセンター

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第1相臨床試験の結果よりPonatinib(ポナチニブ)が最も難治性の慢性骨髄性白血病(CML)に有効/MDアンダーソンがんセンター

本薬剤は現在治療法のないT315I変異慢性骨髄性白血病にも効果を示す
M.D.アンダーソンがんセンター
2010年12月4日

初回および二次治療に反応しなくなったか、またはもともとあった癌細胞の遺伝子変異により初めから治療抵抗性があり、治療選択肢のない慢性骨髄性白血病患者に有効な新規薬剤が発見されたと、研究者らは第52回米国血液学会年次総会で発表した。
第1相臨床試験では2つの患者群においてPonatinibによる血液学的(血中CML細胞の消滅)、細胞遺伝学的(骨髄中白血病細胞の消滅)著効または完全寛解が達成された。

・CML治療のため開発された2,3種の薬剤−イマチニブ(グリベック)ニロチニブ(タシグナ)ダサチニブ(スプリセル)−による治療を試みたもののそれらの薬剤に抵抗性を示すようになった患者
・さらに白血病細胞にT315I変異があり、現在使用されている全ての治療法に抵抗性である患者

「Ponatinibは現在効果的な治療法のない患者さんに新しい選択肢を提示できそうです」とテキサス大MDアンダーソンがんセンター白血病部門の教授であり本研究発表者であるJorge Cortes医師は述べた。「我々は第1相臨床試においてこのような良好な結果を得たため第2相臨床試験に向けて予備試験を開始しました」

前臨床試験において、Ponatinib(ARIAD社製)はBCR-ABLタンパク活性阻害剤に抵抗性を示す原因となるあらゆる変異を抑制した。BCR-ABLはCMLの原因となり、異常遺伝子bcr-ablにより作られる。これは2つの染色体のbcr とabl遺伝子が転座したDNAから生じたもので、この異常染色体をフィラデルフィア染色体という。

2010年7月までに67人が本試験に登録し、そのうちCML患者は57人であった。42人が慢性期または初期、7人が加速期、8人が最も進行した急性転化期であった。3人がフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病、3人が急性骨髄性白血病、4人がその他の血液悪性腫瘍に分類された。

報告時点では、合計48人の患者に有効であった。

・CML慢性期の32人中30人(94%)が血液学的完全寛解が得られた。20人(63%)が細胞遺伝学的著効、12人が完全寛解、8人が部分寛解。20人の細胞遺伝学的寛解患者のうち18人は病態悪化なく治療継続。
・T135I変異のあるCML慢性期11人全員が血液学的完全寛解。9人は細胞遺伝学的著効そのうち8人は完全寛解。
・加速期、急性転化期またはフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の慢性CML16人のうち、5人(31%)が血液学的有効、3人(19%)が細胞遺伝学的著効。
・上記患者群でT135I変異のある患者9人のうち、3人(33%)が血液学的著効、2人(22%)が細胞遺伝学的著効。

研究者らはまたT315I以外の変異により既存薬剤に抵抗性を示す患者と、変異はないが重症の難治性患者にも効果があったと報告した。

最も頻発する副作用は血小板細胞減少(24%)、頭痛(14%)、嘔気(14%)関節痛(13%)倦怠(13%)貧血(11%)リパーゼ増加(11%)筋攣縮(11%)発疹(11%)筋肉痛(12%)膵炎(10%)など。用量制限毒性は全て可逆性であった。

本試験はARIAD社より資金提供を受けた。

Cortes医師の他共同研究者は以下の通り。
Hagop Kantarjian, M.D., MD Anderson Department of Leukemia; Moshe Talpaz, M.D., and Dale Bixsby of the Comprehensive Cancer Center at the University of Michigan; Michael Deininger, M.D., Ph.D., and Michael Mauro, M.D., Center for Hematologic Malignancies, Oregon Health & Science University, Portland, OR; Neil Shah, M.D., University of California, San Francisco; Ian Flinn, M.D., Ph.D., Sarah Cannon Research Institute, Nashville, TN.; Thomas O’Hare, Ph.D., Oregon Health and Science University, Howard Hughes Medical Institute, Portland, OR.; and Simin Hu, Ph.D., Rebecca Kan, Victor Rivera, Ph.D., Tim Clackson, Ph.D. and Frank Haluska, M.D., Ph.D., of ARIAD Pharmaceuticals, Cambridge, MA

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武内 優子 訳
井上 進常 (小児腫瘍科/首都医校教員) 監修
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原文


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