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乳癌の遺伝子検査 全員受ける必要はない/MDアンダーソンがんセンター

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乳癌の遺伝子検査 全員受ける必要はない/MDアンダーソンがんセンター

DNAに損傷を与えるプラチナ製剤はBRCA2により効果があり、BRCA1には影響がない

MDアンダーソンがんセンター

2011年10月11日

遺伝性乳癌および卵巣癌に関する遺伝カウンセリングおよび遺伝子検査について、中等度リスクの女性で受けている人が非常に多く、高リスクの女性が少なすぎることが研究で示された。テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの専門家は、患者および主治医に対し、家族歴をよく検討し、誰が検査を受けるべきか適切な判断をしてほしいと呼びかけている。

「あなたが遺伝子検査の候補と判断された場合、変異の有無を知っておく利点の一つとしては、あなたと主治医が協力して癌のリスクを監視しこれに対処できるということがあります」。MDアンダーソン臨床癌遺伝学プログラムの共同医長であるKaren Lu医師はこのように述べた。「これにより癌を予防したり、もっとも治療可能な早期のうちに癌を発見することができます」。

BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有する女性では乳癌および卵巣癌が発生する可能性がかなり高くなる。男性でもこれらの変異があれば乳癌リスクが増大するほか、膵癌および早期発症型の前立腺癌のリスクが増大する可能性もある。

血縁の近親者に注目

とはいえ、遺伝が原因の癌は全体のわずかに5~10%程度である。このため、家族に複数の癌患者がいたとしても「癌の家系」という可能性は高くない。

性急な結論を出す前に、第一度近親者(両親、兄弟姉妹、子)および第二度近親者(祖父母、おじ、おば、めい、おい)に着目することをLu氏は提案する。

これらの近親者に1人以上乳癌患者がいる女性では、乳癌になる確率が2倍だ。また、母方または父方の一方で複数世代にわたり患者がいれば乳癌リスクはさらに高くなる。

「たとえば、母方のおばと父方のおばの両方に乳癌患者がいる場合は、乳癌の家系ではない可能性のほうが高いです」とLu氏は述べた。

近親者の癌既往歴を評価する

1人以上の近親者が次のいずれか診断を受けた人はBRCA変異検査を受けるべきである。

・ 同種の癌
・ BRCA1またはBRCA2変異陽性
・ 50歳未満の乳癌または卵巣癌
・ 乳癌および卵巣癌の併発
・ 男性の乳癌

アシュケナージ(東欧系)ユダヤ人で1人以上の近親者が上記の条件にあてはまる場合、BRCA変異の可能性がかなり高い。

遺伝子カウンセラーと話す

血縁の近親者が1人でもこれらの基準にあてはまる場合は、医師に頼んで遺伝子カウンセリングに紹介してもらうとよい。遺伝子カウンセラーとは遺伝子検査によるリスクとベネフィットを話し合うことができる。

遺伝子検査が妥当な場合、もっとも受けるべきは普通は癌となった人である。「発癌させる遺伝子変異の存在を確認してから、第一度近親者、つまり母親、姉妹、娘にも同じ変異があるかを検査することができます」とLu氏は述べた。

検査の利点・欠点を慎重に評価する

家族の感情に配慮することも重要である。これは検査結果によっては家族に癌リスクがあることもはっきりさせてしまうためだ。

「検査するかどうかにかかわらず、変異があるからといって必ず癌になるわけではないことを知ってほしい」とLu氏は述べた。「そして、遺伝子変異がなくとも癌にならないという保証はないということも」。

遺伝子検査と癌リスクについて詳しい情報はwww.mdanderson.org/focusedを参照。

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橋本 仁 訳
原 文堅 (四国がんセンター 乳腺科) 監修
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原文

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