2008/02/05号◆注目の臨床試験「浸潤性膀胱癌に対する併用療法」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/02/05号◆注目の臨床試験「浸潤性膀胱癌に対する併用療法」

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2008/02/05号◆注目の臨床試験「浸潤性膀胱癌に対する併用療法」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2008年2月05日号(Volume 5 / Number 3)
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◇◆◇注目の臨床試験◇◆◇

浸潤性膀胱癌に対する併用療法

臨床試験名

経尿道的膀胱切除術を受けた筋層浸潤を伴う膀胱移行上皮癌患者におけるパクリタキセル+放射線療法にトラスツズマブ(ハーセプチン)を加えるかどうかの第I/II相試験(RTOG-0524)。試験プロトコルの概略は以下を参照のこと。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/RTOG-0524

臨床試験責任医師

M. Dror Michaelson医師、 Alan Pollack医師、Douglas Dahl医師 (RTOG:放射線臨床試験共同グループ)

この試験が重要な理由

膀胱摘除術とも呼ばれる膀胱の完全切除は、膀胱の筋肉壁に浸潤した膀胱癌の最も一般的な治療である。しかしながら、膀胱を温存して患者のQOLを改善しようと、医師らは化学療法と連日の放射線治療の併用による膀胱癌の治療法を開発してきた。

以前のこの治療法を用いた臨床試験では、膀胱温存療法が失敗した場合に膀胱切除術が適応となる患者のみを対象としていた。膀胱切除術が適応でない患者には現在選択できる標準的治療法はない。

この試験では、膀胱摘除術が適応でない浸潤性膀胱癌の患者にパクリタキセルと連日の放射線療法で治療を行う。また、HER2タンパク検査で陽性の腫瘍の患者にはモノクロナール抗体トラスツズマブ(ハーセプチン)を投与する。

いくつかの試験によると、膀胱癌の40~80%でHER2が過剰産生されており、こういった腫瘍の患者は、このタンパクの過剰発現のない腫瘍の患者と比較すると治療効果が芳しくない。トラスツズマブは腫瘍細胞表面にあるHER2と結合し、細胞障害性プロセスを開始させる。

Michaelson医師は次のように述べる。「手術が適応でない、筋層浸潤を伴う膀胱癌患者は治療選択肢がほとんどない。この試験で、われわれは、膀胱温存のために開発されたこの併用療法を用いて、負担の少ない治療法として期待されているこの方法を試しているのです。」

「さらに大規模な臨床試験で試験できるような、安全で忍容性のよいレジメンを確立することに加えて、われわれは、膀胱癌におけるHER2の役割を明らかにし、そのタンパクを過剰発現する腫瘍を有する患者の治療結果をトラスツズマブが改善するかどうか検討したい。」と、Michaelson医師は付け加えた。

問い合せ先

適格基準と試験の実施施設リストについては下記URLを参照するか、またはNCIの癌情報サービス1-888-NCI-1937まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守される。
http://cancer.gov/clinicaltrials/RTOG-0524

過去の「注目の臨床試験(原文)」については以下を参照。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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野中 希 訳
榎本 裕  (泌尿器科)  監修
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