2007/11/06号◆特集記事「治療薬が頭頸部癌の導入化学療法を改善する」 | 海外がん医療情報リファレンス

2007/11/06号◆特集記事「治療薬が頭頸部癌の導入化学療法を改善する」

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2007/11/06号◆特集記事「治療薬が頭頸部癌の導入化学療法を改善する」

同号原文
NCI Cancer Bulletin2007年11月6日号(Volume 4 / Number 29)
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◇◆◇特集記事◇◆◇

治療薬が頭頸部癌の導入化学療法を改善する

進行頭頸部癌患者が他の治療に先立って最初に化学療法を受ける場合、2剤を併用するより3剤を併用する方がよいとみられる。New England Journal of Medicine誌10月25日号に発表された試験結果によると、シスプラチンとフルオロウラシルとの標準的な2剤併用に加えてドセタキセル(タキソテール)を投与した患者では、2剤のみ投与した場合に比べて転帰に改善がみられたという。

この結果は、寛解導入療法(または補助療法)を受ける患者を対象として、標準化学療法にドセタキセルを追加して検討した2つのランダム化臨床試験から得られたものである。この治療法は、今回報告された2つの臨床試験のように放射線療法の前や、手術療法の前に行われる。

両試験はそのデザイン、投与量および対象患者集団を異にするものであったが、それぞれの試験でドセタキセルを追加したことによって生存期間の改善および死亡率の低下が認められ、標準導入化学療法のレジメンを用いた治療群と比べて毒性の有意な増大がみられることもなかった。

「両試験が伝えるのは、頭頸部癌がもたらす予後は辛いものであるが、その治療法が著しい進展を遂げつつあるということである」と、ダナファーバー癌研究所のDr. Marshall Posner氏は語った。同氏は2件の試験のうちTAX 324と呼ばれる1件を統括した。

両試験で最も意外であったのは、3つ目の化学療法剤によって患者の耐容性がむしろ高まるように思われたことであるとDr. Posner氏は指摘する。ドセタキセル群では生存期間が平均71ヵ月であったのに対して、もう一方の群では30ヵ月であった。

2件目の試験は、欧州癌研究治療機構(European Organization for Research and Treatment of Cancer)が実施したものである。32ヵ月後の時点でドセタキセル群の生存期間中央値が18.8ヵ月であったのに対して、もう一方の群では14.5ヵ月であった。ドセタキセルの投与を受けた患者の方が、悪心、嘔吐および口腔内痛などの副作用が少なかった。

過去の諸試験では、進行頭頸部癌患者に対して化学療法を放射線療法と同時に併用すると最も効果が高いことが示唆されてきた。化学療法と放射線療法とを同時併用する前に導入化学療法を実施することに、同時併用を単独で実施する場合を上回る利点があるかどうか、あるとすればどのような患者にとって利点があるのかという疑問があるが、今回の新たな試験2件はその疑問に答えるべくデザインされたものではなかった。

現在、5つ以上の試験で頭頸部癌について、放射線療法と化学療法併用前に実施する導入化学療法が検討されており、答えが間もなく出ることになろう。

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Nobara 訳
林 正樹 (血液・腫瘍科)  監修

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