2007/09/11号◆注目の臨床試験「脂肪肉腫に対するHIVプロテアーゼ阻害治療」 | 海外がん医療情報リファレンス

2007/09/11号◆注目の臨床試験「脂肪肉腫に対するHIVプロテアーゼ阻害治療」

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2007/09/11号◆注目の臨床試験「脂肪肉腫に対するHIVプロテアーゼ阻害治療」

同号原文NCI Cancer Bulletin2007年9月11日号(Volume 4 / Number 25)

2007年度エルメス・クリエイティブ賞
Eニュースレター部門金賞受賞

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◇◆◇注目の臨床試験◇◆◇

脂肪肉腫に対するHIVプロテアーゼ阻害治療

臨床試験名

再発、転移性、または切除不能の脂肪肉腫患者に対するメシル酸ネルフィナビルの第I/II 相試験(CHNMC―04090)。 試験プロトコルの概略は以下を参照のこと。
http://cancer.gov/clinicaltrials/CHNMC-04090

臨床試験責任医師

Warren Chow医師 (シティー・オブ・ホープ総合がんセンター)

この試験が重要な理由

脂肪肉腫とは脂肪細胞に発生する悪性腫瘍であり、成人の軟部組織肉腫のうち最も多いタイプのひとつである。外科手術や放射線治療の適応が限局性の腫瘍に対して有効であるが、進行した脂肪肉腫では治療によって治癒することはほとんどない。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に用いられる薬剤であるネルフィナビルは脂肪肉腫の成長を止めるのに有効かもしれない。ネルフィナビルはプロテアーゼ阻害剤と呼ばれ、一部の細胞やウィルスが複製するのに必要なプロセスとしてタンパク質分解が起こるが、それを担うある酵素(プロテアーゼ)の作用を妨害する種類の薬剤である。

HIV感染患者において、ネルフィナビルはしばしば脂肪細胞の成長を妨げる。この性質から研究者らは、この薬剤を実験室で脂肪肉腫細胞においてテストを行った結果、ネルフィナビルは脂肪肉腫の増殖を遅らせ、それらにアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘発することが示された。

この試験では、研究者らはネルフィナビルが進行した脂肪肉腫の患者において、腫瘍を縮小させるのに役立つかどうかを調べる。また、これらの患者における薬剤の最大耐量や薬物動態(体内での薬剤の宿命)の確立も追究する予定である。

Chow医師は次のように述べる。「現在のところ、再発、転移性脂肪肉腫に対する治療の選択肢はそれほど多くはなく、この癌にとってキーとなる分子経路にターゲットを絞った新たな治療法を開発する必要がある。ネルフィナビルはすでにFDAに承認されている薬剤であり、研究室での実験では有望であると示されている。したがって、われわれはこの試験で臨床効果のエビデンスを得たいと望んでいる。

試験の参加可能な人

研究者らは、再発、転移、または切除不能の脂肪肉腫との診断が確認された40人の患者を登録する。適格基準のリストについては下記URLを参照のこと。
http://cancer.gov/clinicaltrials/CHNMC-04090

試験を行っている施設と問合せ先

この試験はカリフォルニア州デュアルテにあるシティー・オブ・ホープ総合がんセンターで行われている。詳細はシティー・オブ・ホープ臨床試験室1-800-826-4673に電話、または、Eメールで問い合わせのこと。
becomingapatient@coh.org

過去の「注目の臨床試験(原文)」については以下を参照。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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野中 希 訳
平 栄 (放射線腫瘍科) 監修
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