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2007/08/07号◆FDA情報「FDAの抗腫瘍薬諮問委員会が乳癌予防薬としてラロキシフェンの承認を提言」

  • 2007年8月7日

    同号原文NCI Cancer Bulletin2007年8月07日号(Volume 4 / Number 23)

    2007年度エルメス・クリエイティブ賞
    Eニュースレター部門金賞受賞

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    ◇◆◇FDA情報◇◆◇

    FDAの抗腫瘍薬諮問委員会が乳癌予防薬としてラロキシフェンの承認を提言

    米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、乳癌の発症リスクが高い閉経後女性の乳癌の予防薬として、抗骨粗しょう症薬ラロキシフェン(エビスタ)を承認するようFDAに提言した。

    同委員会、すなわちFDA抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)はまた、骨粗しょう症を有する女性に対して乳癌予防薬としてラロキシフェンの使用を認めるよう提言した。後者の提言に対する委員会の投票結果は8-6と接戦であったが、高リスク患者への適応に関しては10-4で、その差は若干大きかった。

    本提言は、乳癌の発症リスクが高い閉経後女性において、ラロキシフェンがタモキシフェンと同程度に乳癌の発症リスクを低下させ、かつ安全性プロフィールにおいて全般的にタモキシフェンよりも優れていることを示した、NCIが支援し、承認申請用として実施されたSTAR試験を含む4つの臨床試験結果に基づいている。タモキシフェンは乳癌予防薬としてFDAの承認を得た唯一の薬剤である。

    NCI癌予防部門のディレクターであるPeter Greenwald博士は、本提言は喜ばしいことだと述べた。FDAはODACの提言に従うべきであり、これによって女性達が担当医と相談できる重要な乳癌予防の新たな選択肢が増えることになると彼は語った。

    「これは女性の健康と癌予防に対する大きな前進である」と彼は述べた。

    しかしいくつかの乳癌患者団体はこの提言に落胆をみせ、タモキシフェンやラロキシフェンの有用性はその危険性を上回るものではないと主張した。

    ODACに対する彼らのプレゼンテーションにおいてFDAの評価者らは、入手可能な試験結果に基づいてラロキシフェンの危険性と有用性のバランスを慎重に考慮することは「極めて重要」であると結論付けた。

    STAR試験ではラロキシフェンとタモキシフェンの両薬剤ともに、浸潤性乳癌のリスクを約50%減少させた。ラロキシフェンを使用した女性はタモキシフェンを使用した女性に比べて血栓症、子宮内膜癌、白内障を発症する可能性が低かったが、すべてに統計学的有意差があったわけではなかった。また、ラロキシフェンはタモキシフェンと比較して非浸潤性乳癌の発症リスクを減少させなかった。

    同委員会が審査した他の3つの臨床試験結果では、ラロキシフェンが閉経後女性において乳癌発症のリスク減少に関与することが示されたが、いずれの試験においても本指標は主要評価項目に含まれていなかった。

    FDAは諮問委員会の意見に従うことが多いが、必ずしも従う必要はない。あるメディアの報告によれば、ラロキシフェンの製造元であるイーライ・リリー社はFDAの決定を9月頃と見込んでいるとのことである。

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    Okura 訳
    島村 義樹(薬学)監修

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