オーロラキナーゼ阻害剤が慢性骨髄性白血病(CML)に効果/Medscape・ASH報告2006/12 | 海外がん医療情報リファレンス

オーロラキナーゼ阻害剤が慢性骨髄性白血病(CML)に効果/Medscape・ASH報告2006/12

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オーロラキナーゼ阻害剤が慢性骨髄性白血病(CML)に効果/Medscape・ASH報告2006/12

原文 | Medscape
オーロラキナーゼ阻害剤が慢性骨髄性白血病(CML)に効果
Medscape

Allison Gandey

2006年12月12日(オーランド)-新規のオーロラキナーゼ阻害剤が、予後不良の治療抵抗性白血病患者において初めて臨床効果を示した。Merck and Vertex Pharmaceuticals(メルク&バーテックス・ファーマシューティカルズ)社の新規製品であるMK-0457が、難治性血液癌の標的療法として提示された。

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「われわれは、実際に病気を治すことに注力しています。薬剤規定の観点からは、この薬の優位性は、患者が現在生存しているということです。」これは素晴らしい新規薬剤であり、このような患者には現在その他の治療法が存在しないため、必要性が非常に高いのです。」と試験責任医師であるMDアンダーソンがんセンターのFrancis Giles医師が、米血液学会の第48回年次総会および展示会において記者らに述べた。

難治性の慢性骨髄性白血病(CML)患者は、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブなどの抗癌治療に耐性を生じることがよくある。耐性変異の中で多いもののひとつに、T315Iがある。今回の新規製品は、オーロラキナーゼおよび、変異を起こすと白血病において制御されない細胞増殖や疾患の増悪を促進するBCR-ABL遺伝子を標的とすることで、この問題を解決すると言われている。

慢性骨髄性白血病患者で、加速期または急性転化期に陥ったことのある15人において第1相試験が行われた。これらの患者のうち、11人にBCR-ABL遺伝子のT315I変異がみられた。参加患者は、2~3週間おきに5日間かけて静脈内注射を受け、現在までの平均治療期間は3ヶ月である。1時間に8~40 mg/m2の範囲で、8種類の異なる投与量が試された。標準用量漸増法が用いられ、各レベル3人の患者で、用量規定毒性のレベルまで達した後、6人の患者にレベルごとに投与が行われた。毒性は、1サイクル目にグレード3以上の非血液学的有害事象を経験することと、と定められた。

本総会において結果を発表した際、ペンシルバニア州ピッツバーグにあるメルク社のJamie Freedman医師は、この新規オーロラキナーゼ阻害剤は「本第1相試験において非常によく忍容性を示した」と出席者に対して述べた。中には明らかな骨髄抑制がみられた患者もいたが、このことは研究者らによると、オーロラキナーゼ阻害剤の機序に基づいて予想される副作用のひとつであるという。1人の患者は、本治療を15サイクル受け、現在も治療を続けている。

T315I変異患者が治療に反応

T315I変異を持つ11人の患者全員が、臨床上の抗白血病活性を示した。1人が血液学的寛解(major response)、4人はやや奏効(minor response)、また1人は細胞遺伝学的完全寛解、2人は細胞遺伝学的部分寛解、1人はわずかな細胞遺伝学的寛解(minimal)を示した。T315I変異を持たない患者では、寛解を示した患者はいなかった。

医師らはまた新たなMK-0457の試験に向けて動き出している。「私たちが対処でき得る限り多くの世界中の施設において行われる重要な国際試験となるでしょう。」とGiles医師は記者会見で述べた。またGiles医師はMedscapeに対して、「多くの困難が待ち受けているでしょう。ですが、稀なタイプの白血病患者に対して、臨床効果が未知の製品を配布することを考慮中です。投与量に関してはまだ問題が残っており、長期的にどの投与量でも安全であることが分かった場合は、試験を続けていく投与量を決めるのが難しくなるでしょう。」と語った。

また、本製品を経口錠剤として提供できるかどうかも検討されている。「この分野は非常におもしろい。血液学は、急速に生化学や分子的研究から臨床へと移行しています。そして私たちは、この製品のような開発による成果を目の当たりにできる非常に恵まれた機会を与えられています。」と米血液学会の副会長であるサンディエゴ、カリフォルニア大学のKenneth Kaushansky医師は、記者らに語った。

ASH 第48回年次総会および展示会:抄録番号163、2006年12月11日発表

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(Oonishi 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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