2008/04/01号◆注目の臨床試験「進行した固形腫瘍またはリンパ腫患者に対するバトラシリン」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/04/01号◆注目の臨床試験「進行した固形腫瘍またはリンパ腫患者に対するバトラシリン」

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2008/04/01号◆注目の臨床試験「進行した固形腫瘍またはリンパ腫患者に対するバトラシリン」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年04月01日号(Volume 5 / Number 7)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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注目の臨床試験

進行した固形腫瘍またはリンパ腫患者に対するバトラシリン

臨床試験名

転移性または切除不能の固形腫瘍またはリンパ腫の患者におけるバトラシリンの第1相臨床試験 (NCI-07-C-0097)。試験プロトコルの概略は以下を参照のこと。
http://cancer.gov/clinicaltrials/NCI-07-C-0097

臨床試験責任医師

Martin Gutierrez医師(NCI癌研究センター)

この試験が重要な理由

ある種のタンパクが癌の形成や増殖、転移にどのようにかかわっているかを判断する上で、研究者らは大きな前進を遂げてきた。その結果、これらのタンパクを標的とした薬剤の開発が癌研究の主要な焦点となった。

こうした標的治療薬が開発されるとともに、研究者らは、患者の遺伝子特性と、それらの患者に特に適合するとみられる治療とを合致させることの可能性を追究してきた。バトラシリンと呼ばれる薬剤は特定の遺伝子特性を有する患者において有用性が証明されるとみられる標的治療の1例である。

バトラシリンは、ある種の癌細胞において過剰発現し、癌の形成と進行に重要な役割を担っているとみられるトポイソメラーゼIと、トポイソメラーゼIIの2つのタンパクを阻害する。これら2つのタンパクのどちらか一方を阻害する薬剤はこれまでも開発されてきたが、バトラシリンはその両方を標的とする薬剤で、ヒトにおける臨床試験まで到達した初の薬剤である。

バトラシリンはこの性質のために有望な抗癌剤とされるが、初期の動物実験では、種によって異なった薬剤代謝がなされることが示されており、ある種の動物では急速に代謝されるために許容できない副作用が生じる。その後の研究で、これらの動物ではアセチル化という細胞内プロセスがより急速に起こるためにバトラシリンが急速に代謝されることが示された。このことから、アセチル化が遅い遺伝子特性を有する人にはバトラシリンによる治療は認容可能で、有用であると仮定することができる。

この試験では、標準治療が存在しないかほとんど効果がない固形腫瘍患者およびリンパ腫患者のうち、血液検査でアセチル化が遅いと判定された患者にバトラシリンの漸増用量での治療を行う。研究者らはこれらの患者におけるバトラシリンの薬物動態を評価し、今後の臨床試験のために最適な投与量を突き止めたいと望んでいる。

試験の参加基準

癌の治療にシスプラチン、またはオキサリプラチンベースの化学療法を受ける予定のある患者で、かつ、これまでに末梢神経障害の経験がない患者224人を組み入れる。適格基準については上記URLを参照のこと。

問合せ先

適格基準や臨床試験の詳細については下記URLを参照するか、またはNCIの癌情報サービス1-800-422-6237まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守される。
http://cancer.gov/clinicaltrials/NCI-07-C-0097

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過去の「注目の臨床試験」は以下を参照。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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野中 希  訳
島村 義樹(薬学)監修
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