2008/05/13号◆注目の臨床試験「アロマターゼ阻害剤による乳癌の術後補助療法」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/05/13号◆注目の臨床試験「アロマターゼ阻害剤による乳癌の術後補助療法」

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

2008/05/13号◆注目の臨床試験「アロマターゼ阻害剤による乳癌の術後補助療法」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年05月13日号(Volume 5 / Number 10)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

____________________

注目の臨床試験

アロマターゼ阻害剤による乳癌の術後補助療法

臨床試験名

閉経後女性の原発性ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後補助療法としてエキセメスタンとアナストロゾールを比較するランダム化第III相試験(CAN-NCIC-MA27)。試験プロトコルの要旨は以下を参照のこと。
http://cancer.gov/clinicaltrials/CAN-NCIC-MA27

臨床試験責任医師

Paul Goss医師(試験統括医師)、Kathleen Pritchard医師(NCIC臨床試験グループ)、James Ingle医師(NCCTG臨床試験協力団体)、Matthew Ellis医師(CALGB臨床試験協力団体)、George Sledge医師(ECOG臨床試験協力団体)、George Budd医師(SWOG臨床試験協力団体)、Manuela Rabaglio医師(IBCSG臨床試験協力団体)

この試験が重要な理由

アロマターゼ阻害剤(AI)は閉経後女性のホルモン感受性陽性乳癌に対する重要な治療選択肢となっている。AIは、エストロゲン産生に必要なアロマターゼを阻害する。それによりエストロゲン受容体を有する乳癌細胞の増殖を抑制する。

アナストロゾール(アリデミックス)およびエキセメスタン(アロマシン)の2種は、初期のホルモン感受性陽性乳癌の治療に対してFDAによって承認されたAI剤である。アナストロゾールは、エストロゲン前駆体分子と競合して、エストロゲン前駆体分子がアロマターゼに結合するのを妨げる可逆的阻害剤である。エキセメスタンはアロマターゼに永久的に結合し、エストロゲン前駆体がアロマターゼ酵素に結合するのを一切阻害する(不可逆的「自殺」阻害剤となる)。また、エキセメスタンは、女性にアンドロゲン作用(男性ホルモン様作用)を発現することにより副作用を減らし、かつ抗癌効果を高めることが期待される。

本臨床試験では、閉経後女性のホルモン感受性陽性、術後切除乳癌例をアナストロゾールまたはエキセメスタン群に各々割り付け、5年間投与する。試験医師は乳癌の再発およびこれらの薬剤による副作用を調査する。また、付随試験により、これらの薬剤が骨密度および乳腺密度に与える影響に差異があるかどうかについて調査する。現在AI試験の募集を行っているのは乳腺密度に関する付随試験(NCCTG-N0434)を行っている施設だけである。

「アナストロゾールおよびエキセメスタンは以前に臨床試験で直接比較されたことはない。しかし、両薬剤とタモキシフェンを比較した前臨床試験および他の臨床試験からのエビデンスは、エキセメスタンはより強力なアロマターゼ阻害剤であり、また男性ホルモン様作用を有し、それにより有効性の増強および副作用軽減が期待されるという見解を支持している」とGoss医師は述べている。

問い合せ先

適格基準と臨床試験の問い合わせ先や詳細については下記URLを参照するか、またはNCIの癌情報サービス1-800-422-6237まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守される。
http://cancer.gov/clinicaltrials/CAN-NCIC-MA27

____________________

過去の「注目の臨床試験」は以下を参照。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

******
吉村 祐実 訳
武田 裕里子(薬学)監修
******

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3がんに対する標的光免疫療法の進展
  4. 4「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8ASCO、がん臨床試験に対する適格基準の緩和を推奨
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず

お勧め出版物

一覧

arrow_upward