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2008/05/27号◆注目の臨床試験「大腸ポリープ再発予防としてのセレニウム」

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2008/05/27号◆注目の臨床試験「大腸ポリープ再発予防としてのセレニウム」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年05月27日号(Volume 5 / Number 11)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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注目の臨床試験

大腸ポリープ再発予防としてのセレニウム

臨床試験名

腺腫性結腸直腸ポリープを伴う患者を対象とした第III相ランダム化試験(UARIZ-00-0430-01)。試験プロトコルの要旨は以下を参照のこと。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/UARIZ-00-0430-01

臨床試験責任医師

M. Peter Lance医師(アリゾナ大学健康科学センター アリゾナがんセンター)

この試験が重要な理由

穀物、肉類およびその他の一般的な食材に本来含まれるミネラルであるセレニウムについて、数種の癌の予防に有用かどうかを調べるための試験が実施されている。セレニウムを取り込んだ体内のタンパク質は抗酸化作用を有し、損傷した細胞を修復することから、癌リスクが減少する可能性がある。食事におけるセレニウムと癌リスクとの関連性は明確になっていないが、セレニウムのサプリメント摂取に関するいくつかの試験では、将来有望な結果が得られている。特に、セレニウムサプリメントで非黒色腫性皮膚癌を予防しうるかどうかを検証したNutritional Prevention of Cancer Trial(栄養素による癌予防試験)では、肺癌、前立腺癌および結腸直腸癌の発症リスク減少との関連性が明らかとなった。

Lance氏は「この試験によって結腸直腸癌関連項目をエンドポイントとするランダム化比較対照試験の実施に対し、重大かつ正当な根拠が示された」と述べている。

本試験では、結腸直腸腺腫(結腸または直腸における非癌性の腫瘍[ポリープ]で、結腸直腸癌の前駆病変になりうるとされている)の既往歴を有する患者を、3年間または5年間セレニウム・サプリメントを連日摂取する群またはプラセボを連日摂取する群にランダムに割り付ける。サプリメント摂取期間の終了時、患者に対して大腸内視鏡検査を実施し、腺腫再発の有無を調べる。

本試験に参加する患者への治療期間を3年間または5年間のいずれにするかは、担当医師の判断に委ねられる。腺腫再発のリスクがより高い患者に対しては腺腫切除3年後に追跡検査として大腸内視鏡検査を行う必要があるが、リスクがより低い患者に対しては同検査を5年後に実施することとする。

サプリメント摂取期間の終了後5年間、患者を追跡する予定である。本試験では、セレニウムを摂取した患者で腺腫の再発や高度異型腺腫(癌化しつつある腺腫)のリスクが低下するかどうかを検証するだけでなく、長期にわたるセレニウム多量摂取に伴う副作用の特徴を明確にする予定である。

問い合せ先

適格基準と臨床試験の問い合わせ先や詳細については下記URLを参照するか、またはNCIの癌情報サービス1-800-422-6237まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守される。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/UARIZ-00-0430-01

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過去の「注目の臨床試験」(原文)は以下を参照。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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齋藤 芳子 訳
鵜川邦夫 (消化器内科)  監修
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★リンク切れの恐れのあるリンクが存在します。

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