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2008/07/22号◆注目の臨床試験「再発性または難治性B細胞リンパ腫の治療」

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2008/07/22号◆注目の臨床試験「再発性または難治性B細胞リンパ腫の治療」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年7月22日号(Volume 5 / Number 15)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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注目の臨床試験

臨床試験名

難治性または再発性マントル細胞リンパ腫、あるいはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者に対するFlavopiridol(フラボピリドール)の第1相/第2相臨床試験(NCI-07-C-0081)。試験プロトコルの概略は以下を参照のこと。 http://cancer.gov/clinicaltrials/NCI-07-C-0081

臨床試験責任医師

Kieron Dunleavy医師(NCI 癌研究センター)

この試験が重要な理由

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は非ホジキンリンパ腫(NHL)で最も多く見られ、新規症例の最高30%を占める。DLBCLは進行性リンパ腫で、現行の治療法により患者の多くが治癒可能であるが、再発性DLBCL患者の予後は不良となることが多い。マントル細胞リンパ腫(MCL)はNHLであまり見られないタイプで、現行の治療法による治癒は通常不可能な癌である。再発性または治療抵抗性(難治性)のDLBCLあるいはMCLの患者に対する新たな治療の選択肢が必要とされている。

研究者らはこれらの疾患の治療においてフラボピリドールという薬剤が有効であるか否かを調べている。フラボピリドールはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害薬として知られる薬剤の一種であり、CDKは細胞増殖抑制を助けるタンパク質である。CDKの活性化には、サイクリンと呼ばれる別のタンパク質との相互作用が必須である。

MCL細胞はサイクリンD1の過剰発現により区別されるため、研究者らはCDK阻害を通じてこのタンパク質の活性を妨害することが、MCL細胞死をもたらす治療法になり得ると考えている。さらに、試験の中間結果ではフラボピリドールはDLBCLに対して活性を有することが示唆されている。

「これらの疾患においてフラボピリドールの分子標的は多数あるため、リンパ腫に対するフラボピリドールの研究には十分な科学的根拠があります」とDunleavy医師は言う。「フラボピリドールを用いて標的を阻害することが、腫瘍細胞にアポトーシス、すなわちプログラム細胞死をもたらすと期待しています」。

以前、MCLの治療にフラボピリドールを今回とは異なる投与計画で試した際には残念な結果となったが、今回の試験は数時間にわたる持続静注と一度に多量の薬剤を最初に急速静注するボーラス投与の両方を混合させた、新たな薬剤送達法を用いている、とDunleavy医師は指摘している。

「元来、慢性リンパ急性白血病患者のために開発され、試験では優れた効果が示されたこの混合型の投与計画は、リンパ腫細胞を効果的に死滅させるフラボピリドール濃度を得ることを目的としています」とDunleavy医師は述べている。

問い合せ先

適格基準や問い合わせ先については下記URLを参照するか、NCI Clinical Trials Referral Office 1-888-NCI-1937まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守されます。 http://cancer.gov/clinicaltrials/NCI-07-C-0081

過去の「注目の臨床試験」(原文)は以下を参照。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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河原 恭子 訳

林 正樹(血液・腫瘍科)監修

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