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2008/07/22号◆特集記事「米国若年女性でメラノーマ発病率が増加」

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2008/07/22号◆特集記事「米国若年女性でメラノーマ発病率が増加」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年7月22日号(Volume 5 / Number 15)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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特集記事

米国若年女性でメラノーマ発病率が増加

皮膚癌の中で最も致死率の高い浸潤性皮膚メラノーマの15歳~39歳白人米国人女性における年間発病率は、1980年から2004年の間に50%も増加した。このNCI癌疫学・遺伝子学部門の試験責任医師らによる報告は7月10日付けJournal of Investigative Dermatology誌オンライン版に掲載されている。同時期の白人米国人男性における発病率には著しい増加はみられなかった。

「メラノーマの発病率が米国の高齢者の間で継続して増加し続けていたことは以前からわかっていた。明らかになっていなかったのは、若年成人におけるメラノーマ発症数の変化についてであった。1990年代に発表されたいくつかの試験では、メラノーマの発病率はこの年齢群では横ばい状態であったことを示唆していが、2001年にわれわれのグループが行った試験ではメラノーマの発病率は若年女性の間でいまだ増加しているという結果が得られた。その後の7年間のデータを含んだわれわれの今回の試験は、若年成人ではどのような傾向にあるかを明らかにするために実施したものである」と本試験の筆頭著者であるDr. Mark Purdue氏は述べる。

本試験参加医師らは、1973年から発病率と死亡率データを収集した9種類のNCIのSEERの登録データを利用した。若年成人女性における発病率の増加率は1978年から1987年にかけて低下し1992年まで安定していたが、その後再び増加し始めていた。絶対数において、年間発病率は1973年では100,000人あたり5.5例であったものが2004年では100,000人あたり13.9例に増加していた。

若年成人女性における発病率の増加は、早期であることや病巣が浅いことに限らず、より深い病巣および進行期(局所および転移性の両方)メラノーマについても認められた。もし、浅い病巣のみの増加を認めたのならば、これは、1980年代前半からのメラノーマの認知度の向上と調査によって、早期での発見が増加したためであることを示唆するとPurdue氏は説明する。しかし、より後期の疾患の発病率も増加したという事実は、認められた発病率の増加が事実であることを示唆している。

試験参加医師らが出生コホート(出生の5年ごとにグループ分けされた群)でデータを比較したところ、1965年以降に出生された女性においてメラノーマの発病率が増加したことを見出した。「1965年以降に生まれた女性で認められた発病率の増加は出生コホート効果と一致している」と著者らは結論している。つまり、この増加は、異なる年に生まれた人々の集団間で、疾患に対するリスク要因にどの程度曝されたかの違いを表すということである。

「このデータからでは、若年女性の間の発病率の増加が何によって引き起こされたのかは厳密にはわからないが、一つ説明可能なのは、メラノーマのリスク要因である紫外線に対する曝露の増加が原因ではないかということである」とPurdue氏は結論付けている。

前回の研究は、米国において、特に若年女性の間で、日焼け用ベッド使用数の増加に伴い、成人の日焼けの発病率が増加していることを示していた。「メラノーマの増加傾向が、その集団における[紫外線照射]曝露の変化の結果であるか否かを解明にするには、さらなる試験の実施が必要である」と、この論文の著者らは述べている。

紫外線照射を懸念する人は、光線が最も強い時間帯(午前10時から午後4時の間)に日光を浴びないこと、外出時につばの広い帽子や保護する衣服を身に着けること、SPF(日光保護因子)15以上の日焼け止めを使用すること、日焼けをしようとしないことで曝露量を軽減できる。

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湖月みき 訳

島村義樹(薬学) 監修

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