2008/08/05号◆注目の臨床試験「消化管間質腫瘍(GIST)の最先端治療」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/08/05号◆注目の臨床試験「消化管間質腫瘍(GIST)の最先端治療」

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

2008/08/05号◆注目の臨床試験「消化管間質腫瘍(GIST)の最先端治療」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年8月5日号(Volume 5 / Number 16)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

____________________

注目の臨床試験

臨床試験名

転移または切除不能消化管間質腫瘍患者に対するメシル酸イマチニブ対メシル酸イマチニブ+ベバシズマブの第III相ランダム化臨床試験(SWOG-S0502)。

試験プロトコルの要旨は以下を参照のこと。 http://cancer.gov/clinicaltrials/SWOG-S0502

臨床試験責任医師

Charles Blanke医師、Margaret von Mehren医師(SWOG臨床試験団体)  George Demetri医師(CLGB臨床試験団体) Vivien Bramwell医師(NCI C-CTG臨床試験団体)

この試験が重要な理由

消化管間質腫瘍(GIST)は肉腫の一種で、胃または小腸に発生することが多いが、消化管内のどこにでも発生しうる。米国では毎年約5,000人が新たにGISTと診断されている。

2002年にGISTの治療薬としてイマチニブ(商品名グリベック)が米国食品医薬品局に承認されたことにより、外科的切除が困難(切除不能)または転移した(転移性)腫瘍患者の見通しが劇的に改善された。過去の臨床試験において、進行GIST患者の80%以上がイマチニブにより腫瘍の増殖が抑制された。だが、残念なことに、治療開始から平均して約24ヶ月後に、患者はしばしばイマチニブに対し耐性を示した。

最近の研究では、新たな血管の形成(血管新生)を阻害することによりGISTが増殖しない期間を延長、つまり無増悪生存期間を延長することができることが示唆されている。

生物製剤ベバシズマブ(商品名アバスチン)は、血管新生を促進するVEGFと呼ばれるたんぱく質の活性化を阻害する。GISTのVEGF濃度が高いことは、通常、癌がより急速進行性であることを意味している。

本ランダム化臨床試験では、切除不能または転移性GIST患者を、イマチニブ単独療法群またはイマチニブにベバシズマブを加えた併用療法群のいずれかに割り付ける。研究者らは、イマチニブとベバシズマブの併用療法により無増悪生存期間が今までより6ヶ月以上延長することを期待している。

「イマチニブは、ほとんどの進行GIST患者に対して極めて有効ですが、われわれは、イマチニブ耐性が発現するまでの期間を延長することで、その治療を改良しようとしています」とBlanke医師は述べた。「さらに、われわれは、GIST患者の治療の成果をより確実に判断できるよう腫瘍の反応状態を調べるのに使う画像技術の改善も試みています」。

問い合せ先

適格基準と臨床試験の問い合わせ先や詳細については下記URLを参照にするか、またはNCIがん情報センター1-800-4-CANCER (1-800-422-6237)まで。この電話はフリーダイヤルであり、秘密は厳守されます。 http://cancer.gov/clinicaltrials/SWOG-S0518

本試験はメディケア保険が適用されます。詳細は以下を参照のこと。 Clinical Trials Covered Under the Medicare Anti-Cancer Drug National Coverage Decision

過去の「注目の臨床試験」(原文)は以下を参照。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

******

Yuko Watanabe 訳

鵜川邦夫(消化器内科/癌研有明病院) 監修

******

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  5. 5がんに対する標的光免疫療法の進展
  6. 6「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  7. 7HER2陽性進行乳癌治療に対する2種類の新診療ガイド...
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward