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2008/08/05号◆FDA最新情報「FDAがESA(赤血球生成刺激剤)製剤の使用に対して新たに規制を発令」

  • 2008年8月12日

    同号原文

    NCI Cancer Bulletin2008年8月5日号(Volume 5 / Number 16)

    ~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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    FDA最新情報

    FDAがESA(赤血球生成刺激剤)製剤の使用に対して新たに規制を発令

    米国食品医薬品局(FDA)は、抗貧血薬であるアラネスプ〔Aranesp〕 (darbepoetin alfa)、 プロクリット〔Procrit〕 (epoetin alfa)、エポジェン〔Epogen〕 (epoetin alfa)の3種類の製剤について、がん患者への適応を修正するようラベル変更を要請している。

    7月30日発行の製造元アムジェン社宛てのcomplete response and safety labeling order (審査完了および安全性に関するラベル改訂命令)の中で、改定後ラベルには「この製剤は‘治癒目的で治療を行う’患者に対して使用すべきではない」と記載しなければならないとFDAは記している。FDAはこの変更の要請を、昨年当局が得た新権限をもって実施した。この新たな権限によって、安全性問題に対処するためのラベル変更を直接要求することが可能となった。

    また、改定後ラベルには、赤血球生成刺激剤(ESA製剤)と呼ばれるこの薬剤は患者のヘモグロビン値が10 g/dL以下に減少した場合以外は使用してはならないとの記載の追加、および「ヘモグロビン値が12 g/dL以下では安全に使用できる」ことを示す記載の削除を求めた。

    アムジェン社は5日以内にこの要請に対して異議を申し立てるか、15日以内に生物製剤許可申請追加資料を修正ラベルに添付してFDAに提出することになる。アムジェン社はこれに対して簡潔にコメントし、この変更は「想定していたとおりである。直ちに薬剤ラベルの改定を医師と患者双方に説明する予定である」と述べた。

    FDAは、これまでのデータで重篤副作用リスクが最も大きいと示唆される乳癌と頭頸部癌の患者に対して、これらの製剤の禁止を命じていない。2008年3月の会議では、FDA抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)は、そうした規定を設けることを推奨していた。この会議は51の第III相臨床試験のメタ解析の直後に開催されたもので、この研究では血栓塞栓症および血栓症のリスクが57%上昇し、ESA製剤を投与された癌患者では10%死亡率が増加したことが判明した。

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    野中 希 訳

    林 正樹(血液・腫瘍)監修

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