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2008/08/19特別号◆特集記事「治療の武器・低分子薬の研究が進む」

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2008/08/19特別号◆特集記事「治療の武器・低分子薬の研究が進む」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年8月19日「個別化癌医療」特別号(Volume 5 / Number 17)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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特集記事

治療の武器・低分子薬の研究が進む

薬剤をひとつひとつ開発する手法は、疾患毎に安全な薬剤を開発するための専売特許である。この手法によりこれまでの50年間に数多くの医薬品が生み出されてきた。しかしこの医薬品の数は将来現れる医薬品の数と比較すればわずかなものである。

ハーバード大学で教育を受けた有機化学者であり、ハーバード大学-MIT(マサチューセッツ工科大学)のブロード研究所を創設した教授Dr. Stuart Schreiber氏の研究室では、事実、癌の依存性を標的とするというゴールに向け、強力かつ革新的な合成化学の手法である多様性を指向した合成法を創り出した。「プロテオームが持つ100,000ものタンパク質の多くが癌では複数の機能を有しているようであり、これらを制御する分子は治療に貢献するだろう」と彼は述べた。

2002年に、NCIの癌ゲノム学オフィスはSchreiber氏の研究室を、化学遺伝学の主導的研究(ICG)の中心施設に選んだ。研究者たちが有効性をそなえた低分子化合物をいくつ開発できたかが明らかになり、さらに総合的な研究戦略が統合されて化学生物学として知られる1つの新たな研究分野になった。ICGは基本的に低分子化合物のハイスループットスクリーニングを行う国立研究施設であり、100を超える様々な研究グループのためにデータを取ったり解析を行ったりしてきた。

Schreiber氏が開発したもう一つのオープンソース(無償で公開されている)のデータ共有モデルがChemBankである。これは化学遺伝学を進展させるための、ウェブで使える公開のインフォマティックス(情報科学)環境である。

Chembankのおかげで、生命科学者たちは民間企業がもつツールを利用でき、膨大な数の測定や分析から得られる、正常細胞および病気の細胞の状態と700,000を超える低分子化合物とを関連づける生物医学関連データを利用できる。Schreiber氏は、この種の共有資産は、新薬を追い求める研究者のコミュニティーを、単に別々の研究を合計した以上のものにすることができると信じている。

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関屋 昇 訳

島村 義樹(薬学) 監修

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