2008/09/09号◆注目の臨床試験「高リスク前立腺癌患者の潜在癌細胞を標的にする」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/09/09号◆注目の臨床試験「高リスク前立腺癌患者の潜在癌細胞を標的にする」

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2008/09/09号◆注目の臨床試験「高リスク前立腺癌患者の潜在癌細胞を標的にする」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年09月09日号(Volume 5 / Number 18)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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注目の臨床試験

臨床試験名

高リスク臨床的前立腺局在癌患者に対する、前立腺全摘除術のみ対前立腺全摘除術+ドセタキセルと酢酸ロイプロリドまたはゴセレリンによるアンドロゲン除去療法からなる術前化学ホルモン療法の第III相ランダム化臨床試験(CALGB-90203)。

試験プロトコルの要旨は以下を参照のこと。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/CALGB-90203

臨床試験責任医師

James Eastham医師(Cancer and Leukemia Group B 臨床試験団体) Martin Sanda医師(Eastern Cooperative Oncology Group 臨床試験団体) Martin Gleave医師(NCIC-Clinical Trials Group 臨床試験団体)

この試験が重要な理由

前立腺癌は近隣の組織やリンパ節 に拡がっている(転移 )証拠がなければ局在癌と分類される。しかし、患者に対し前立腺および周辺組織を取り除く手術前立腺全摘徐術)を実施しても、検出することができない(潜在)癌細胞が存在するためしばしば前立腺癌が再発する。

臨床医としては前立腺癌患者で高リスク群に該当する患者(手術後の5年無再発率が60%未満)をより確実に識別したい。高リスク患者を識別するには、腫瘍病期、前立腺特異抗原(PSA)高値などの因子のほか、グリーソンスコア高値などの臨床的徴候を考慮に入れる方法がある。しかし、Eastham医師は「高リスクとわかっても一般的に有用と受け入れられる治療戦略がない」という。

高リスク患者の一部は長期転帰の改善を期待して手術前の治療(術前療法)を選択している。癌の増殖が男性ホルモン(アンドロゲン)依存性であれば、術前の抗アンドロゲン療法で癌の拡がりを抑制できる。癌がアンドロゲン非依存性であれば、タキサン系抗癌剤を用いた全身化学療法により長期生存期間が延長することが示されている。

本試験では、高リスクと分類された患者を、術前化学療法を受ける群とすぐに手術を受ける群のいずれかにランダムに割り付ける。術前療法としては、ドセタキセルによる18週間の化学療法と同時に、ゴセレリンまたは酢酸ロイプロリドのいずれかによるホルモン除去療法を18~24週間実施する。Eastham医師によると、これは、それぞれの治療法に対してどちらかに感受性があるとみられる2種の癌細胞集団を同時に標的とするためである。「この治療戦略が有効であれば、標準的治療法が大きく変わるかもしれません」。

問い合せ先

適格基準リストおよび問い合わせは下記URLまたはNCIがん情報センター1-800-4-CANCER(1-800-422-6237)まで。この電話はフリーダイヤルで、秘密は厳守されます。 Clinical Trials (PDQ@) – National Cancer Institute

過去の「注目の臨床試験」(原文)は以下のURLを参照。 http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ft-all-featured-trials

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橋本 仁  訳

榎本 裕 (泌尿器科医) 監修

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