2008/10/07号◆FDA最新情報「肝臓障害のある患者に対するエルロチニブの安全性警告」 | 海外がん医療情報リファレンス

2008/10/07号◆FDA最新情報「肝臓障害のある患者に対するエルロチニブの安全性警告」

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2008/10/07号◆FDA最新情報「肝臓障害のある患者に対するエルロチニブの安全性警告」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2008年10月7日号(Volume 5 / Number 20)

~日経「癌Experts」にもPDF掲載中~

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FDA最新情報

肝臓障害のある患者に対するエルロチニブの安全性警告

肝臓機能障害のある患者にエルロチニブ(タルセバ)を投与する場合、治療期間中は注意深くモニタリングする必要があると、米国食品医薬品局(FDA)は、去る9月23日、MedWatchのウェブサイト上で発表した。この発表は、薬剤の製造元のジェネンテック社および開発企業であるOSIファーマスーティカルズ社からの「警告レター」に準じて行われた。

エルロチニブは、腫瘍にしばしば過剰に発現する上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)を標的として選択的に癌細胞の増殖を遅らせる。2004年に初めて非小細胞肺癌に対してFDAから承認され、その後、2005年にゲムシタビンとの併用で膵臓癌患者に拡大承認されている。

同薬の薬物動態試験のデータでは、進行した固形腫瘍患者の中で肝機能障害のある患者において肝不全のリスクが高くなることが示された。15人の試験登録患者のうち、10人が治療中に死亡、6人はビリルビン値(肝機能のマーカー)が正常値と定められる範囲の上限より3倍以上高くなっていた。肝腎症候群(肝機能不全に続いて腎機能不全を発症する)1例、急速進行性肝不全1例がみられた。

「死亡した患者全員が肝細胞癌、胆管癌、肝転移など肝臓に関連する進行癌のため肝機能障害があった」とレターで述べられている。また、肝硬変や他の肝臓疾患の患者の肝機能や障害を分類するために用いられるスコアリングシステム(the Child-Pugh Score)は、癌の患者に用いるには不十分であることにも言及されている。

エルロチニブの薬剤添付書では、ビリルビン値が正常値より3倍以上高い患者、またはトランスアミナーゼ値が正常値より5倍以上高い患者は同薬剤を投与すべきではないとし、エルロチニブ投与患者は、いずれかの肝機能障害がある場合、注意深くモニタリングを行うこと、と記載されている。

詳細は、次のウェブサイトを参照のことhttp://www.fda.gov/medwatch/safety/2008/Tarceva_PI_DearHCPLetter.pdf

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野中 希 訳

林 正樹(血液・腫瘍科) 監修

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