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2004/5/19 FDA NEWS
FDAはタキソテール(Taxotere)の前立腺癌への新しい適応を承認
本日、米国で食品医薬品局(FDA)は進行性転移性前立腺がん患者の治療としてprednisone(ステロイド)と組み合わせたタキソテール(ドセタキセル)の注入療法を承認した。これはホルモン不応性前立腺がんで生存の延長を証明した初めての薬剤の認可である。
「われわれはこの承認が前立腺がんの治療に重要な進歩であると考えている。なぜならそれが何人かの患者の延命を可能にするからである。患者にとってできるだけ多くの有効な治療の選択肢が必要である。prednisoneと組み合わさったタキソテールはほかに治療法に効果がなかった患者に希望を与えるものだ。」とFDA commissioner のLester M.Crawford 博士は述べた。
前立腺がんは男性の死因の中で見るとガンでは二番目に多い。ホルモン療法が奏効しなかった患者にとって、タキソテールはprednisoneとの組み合わせにより生存に有利となっている新しい選択肢である。
タキソテールはtubulinという細胞分割に不可欠なたんぱく質を抑制し、がん細胞が分割し増大するのを防ぐ働きをする。
タキソテールの安全性と有効性は世界中の多数のセンターにおいて、1000人以上の患者での無作為化された化学療法の比較試験で確立されている。その試験はタキソテールとprednisoneの組み合わせがmitoxantroneとprednisoneの組み合わせに対して再発性でホルモンに不応性な前立腺癌にどう効くかの比較である。試験ではタキソテールをprednisoneと組み合わせて3週間目ごとに投与した場合、コントロール群に勝って約2、5ヶ月の延命を示している。
報告されているもっとも一般的な副作用は吐き気、脱毛、骨髄抑制であった。加えてTaxotereの作用として知られている体液貯留、末梢神経病(末端のしびれ感)も報告されている。
American Cancer Societyによるとアメリカでは2004年に230,900人が新しく前立腺癌患者になり、今年だけで29,900人は死亡するであろうと予測している。
TaxotereはAventis Pharmaceuticals 社から販売されている。
(内村美里人訳 ・ Dr.Saru 監修)
タキソテール非小細胞肺癌(NSCLC)
原文
2002年11月27日、FDAはドセタキセル(アベンティス・ファーマ社商標タキソテールR)を、切除不能(外科的切除不可)、局所進行性、転移性いずれかの非小細胞肺癌(NSCLC)の症例でまだ化学療法を行っていない患者に、シスプラチンと併用して用いることに対して承認した。
ドセタキセルは、非盲検、多施設共同の無作為割付国際臨床試験ひとつで評価された。非小細胞肺癌がステージIIIBまたはIVであり、切除不能かつ化学療法を行ったことのない患者計1,218例に、3種類の治療法のいずれかを行う無作為割付を行った。治療方法3種類は以下の通りである。一つめは、3週間ごとにドセタキセル75mg/m2を1時間注入投与後、すみやかにシスプラチン75mg/m2を30〜60分投与。二つめは、治療1日目、8日目、15日目、22日目にビノレルビン25mg/m2を6〜10分間かけて投与し、サイクルの第一日目にシスプラチン100mg/m2を投与することを4週間ごとに繰り返す。三つめはドセタキセルとカルボプラチンの併用であった。
主要評価項目は全生存期間とした。ドセタキセル+シスプラチン治療群の患者とビノレルビン+シスプラチン治療群の患者の比較では全生存期間に統計的な有意差は見られなかった(平均生存期間10.9ヶ月対10.0ヶ月、p = 0.12)。非劣性分析によって、この組合せにおけるタキソテールの有効性を証明した。
ドセタキセルをカルボプラチンと併用した際の有効性は認められなかった。ドセタキセル+カルボプラチン治療群とビノレルビン+シスプラチン治療群の全生存期間に統計的有意差はなかった(平均生存期間9.1ヵ月対10.0ヵ月、p = 0.66)。ドセタキセル+カルボプラチン群には、ビノレルビン+シスプラチン群に対する非劣性は示されなかった。
有害事象で最も頻度が高かったもの(患者の50%以上)は、好中球減少症、貧血、嘔気、嘔吐、体液貯留、無力症、疼痛、脱毛症であった。他に多く見られた有害事象(患者の20〜50%)には、下痢、体重減少、口内炎、感染、喀血、便秘、感覚神経イベントが認められた。
シスプラチンを組み合わせた治療群では、発熱性好中球減少症が患者の5%、グレード3/4感染が患者の8%に見られた。頻度が少ない有害事象(患者の20%未満)としては、血小板減少症、過敏症反応、神経系―聴覚、小脳または運動の有害事象、筋痛、関節痛、脱水、爪障害が認められた。中毒死率(薬剤投与後30日以内の死亡)は、ドセタキセル+シスプラチン群で2.2%、シスプラチン+ビノレルビン群で2%であった。
化学療法が初めての患者におけるドセタキセル推奨投与量は、75mg/m2を1時間かけての静脈内投与であり、その後すみやかにシスプラチン75mg/m2を30〜60分かけて投与することを3週間ごとに行う。
(Snowberry 訳 ・Dr.Saru 監修)
原文
前立腺癌にドセタキセル、エストラムスチン、低容量ヒドロコルチゾン3剤療法1999/5
PSA Rising Magazineより
Docetaxel, Estramustine and Low-Dose Hydrocortisone Combo "Effective" For Advanced Prostate Cancer
ドセタキセル、エストラムスチン、低容量ヒドロコルチゾン療法が進行した前立腺癌に効果的
1999年5月17日ASCO(米国臨床癌学会)定例総会において、ドセタキセル、エストラムスチン、低容量ヒドロコルチゾンの3剤を組み合わせたレジメンが進行したホルモン抵抗性前立腺癌に『素晴らしい結果』をもたらしたという発表があった。
この第2相試験でドセタキセル(商品名タキソテール)と窒素マスタード エストラムスチン フォスフォネート(商品名Emcyt)と低容量ヒドロコルチゾンの3剤併用は進行前立腺癌患者に『有望な治療法』であることを示唆した。
NCI(国立癌研究所)によって資金提供されたこの研究で、この治療はホルモン不応性前立腺癌患者に有効且つ副作用も少ないことがわかった。ホルモン不応性前立腺癌は、通常のホルモン療法である抗アンドロゲン薬に有効性を失った進行した癌であるとされる。(前立腺癌は男性ホルモンのテストステロンによって活発になる;抗アンドロゲン剤はテストステロンの生産を遮断し、体内の受容体と結合するのを防ぐ。)
最初ホルモンに感受性があった、または反応があった患者のうちのほぼ全員が、最後にはホルモン抵抗性になり、腫瘍が増大する。「前立腺癌患者にホルモン療法が効かなくなったとき、化学療法が試みられるが、現在の抗癌剤治療、特に単剤療法では限られた有効性しかなく、一度ホルモン抵抗性になったら、新薬の開発や治療薬の組み合わせが効果を生む最も重要な鍵となる。そして確実に、われわれのデータはドセタキセル/エストラムスチン併用療法が有望であると示している。」とマサチューセッツ大学の Diane Savarese MD氏は述べた。
この研究には47人のECOG((Eastern Cooperative Oncology Group) performance status(一般状態)0から2までで、初期のホルモン療法後再発した前立腺癌患者が参加した。化学療法を受けた患者、血液凝固の病歴のある患者(血栓症)、または重度の心臓病患者は参加登録を拒否された。
患者はドセタキセル静注70mg/m2を毎3週間サイクルの第2日目に投与された;経口エストラムスチンは10mg/kg/dを5日間に渡って分割して服用;低容量ヒドロコルチゾン(40mg)は毎日投与された。
全研究を通して、40人の患者が効果や毒性(これらが通常第2相試験の目標である。効果=薬の病気に与えるインパクト、毒性=副作用)を調査するに十分な期間研究が続けられた。
はじめPSA(前立腺特有の抗体)値が上昇していた39人の患者のうち27人(69%)の患者で50%以上PSA値が減少した。これら27人のうち21人の患者では、75%以上の減少がみられた。2サイクル以上治療を受けた患者40人のうち、21人に重度の柔組織の疾病がみられた。これらの患者のうち、1人は6サイクル治療後、完全寛解に至った。また3人は柔組織での部分寛解がみられた。完全寛解とは、すべての臨床上、またはX線上で完全に癌が消失した場合、部分寛解とは50%以上腫瘍の縮小がみられた場合の定義である。
この治療の主要な副作用は『軽度の血液毒性』である。その他の毒性や消化管障害などは稀であった。
この研究での良好な結果報告を受けて、Dr. Savarese氏は、「今後、この併用レジメンと、ミトキサントロンやヒドラコルチゾンを含むホルモン不応性前立腺癌に活性があるとされてきたほかの薬剤とを比較するために第3相試験を施行するべきだ。」と述べている。
(野中希 訳)
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