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No.10. 頭頸部癌にパクリタキセル(タキソール)レジメン2003/6

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Paclitaxel-Based Regimen Effective for Head and Neck Cancer

パクリタキセル(タキソール)を基本としたレジメンは頭頸部癌に有効2003/6

新規併用化学療法によって3例中1例で腫瘍が消失

【6月5日(シカゴ)】パクリタキセルを標準的な化学療法に追加することによって患者の約3分の1において腫瘍が完全に消失し、生存期間が延長するという知見は局所進行頭頸部癌患者の治療法を変える可能性があると複数の医師が述べている。
パクリタキセル併用患者では発声や嚥下機能が温存される可能性も高く、その結果、QOL(生活の質)が改善される、と12 de Octubre病院(スペイン、マドリード)の腫瘍学者で、この新規臨床試験の責任医師であるRicardo Hitt, MD, PhDは述べた。パクリタキセルと標準的レジメンであるシスプラチンと5-フルオロウラシル(5-FU)の併用と標準的レジメン単独を比較した第II相試験の結果に基づいて、3剤併用は腫瘍縮小効果がより大きく、生存期間が延長すると仮定している。Hitt博士は米国臨床腫瘍学会(ASCO)第39回年次集会で試験の結果を発表した。

プロスペクティブ(前向き)無作為化第III相試験において、局所進行頭頸部癌(主に中咽頭、喉頭、口腔の腫瘍)患者384例を3週間毎にシスプラチン100mg/m2(初日)と5-FU 1g/m2(5日間連続注入)を投与する群、または同薬剤に各サイクルの初日にパクリタキセル175mg/m2を併用投与する群に無作為に割り付けた。

患者の年齢の中央値は56歳であった。約35%は切除可能症例であった。4分の3が一般状態(PS)1、84.1%がIV期であった。

3剤併用療法を受けた患者の32%において腫瘍の消失が認められた。それに対し、従来の化学療法を受けた患者では完全寛解率が13%であった(p=0.007)と、Hitt博士は述べた。

2群間の部分寛解率の差は完全寛解率の差ほど顕著ではなかった。50%以上の腫瘍縮小が認められた患者は、パクリタキセル併用群56%、従来の化学療法群48%であった。

しかし、追跡調査の継続に伴って、「パクリタキセル併用患者の多くはすでに、標準的化学療法を受けた患者の生存期間の中央値である38カ月よりも長く生存している」と、Hitt博士は述べた。

進行するまでの期間の中央値は、パクリタキセル併用患者で23カ月、標準的治療患者で18カ月であった。さらに、喉頭、咽頭、舌が温存された患者は、パクリタキセル併用患者88%、シスプラチン+5-FU単独療法患者75%であった。標準的治療群ではパクリタキセル併用群よりもグレード3または4の粘膜炎の発症率が有意に高かったが(23.3%対3.1%)、それを除くと副作用は両群においてほぼ同等であった。

有効性および毒性のプロフィールが優れているので、「一部の頭頸部癌患者ではこの併用療法がまもなく標準的治療法となるであろう」と、Hitt博士は述べた。


この試験に関与しなかったASCOの広報担当者の見解はおおむね一致している。

「これは、頭頸部癌患者の治療法を変える可能性が高い、非常に重要な試験である」と、Dana-Farber癌研究所(マサチューセッツ州ボストン)の消化管腫瘍センターの責任者で、この知見に関する討論会の議長を務めるRobert Mayer, MDは述べた。

一つの試験に基づいて診療ガイドラインが変更されることはほとんどないものの、「医師がこの治療法を直ちに採用することにマイナス面はほとんどない」と、ASCOのCancer Communications 委員会の会長を務めるFrank Haluska, MDは述べた。

頭頸部癌は化学療法に対する感受性が比較的高い腫瘍であるが、パクリタキセル(タキソール)を追加することによって「明らかに完全寛解率が上昇する」と、マサチューセッツ総合病院(ボストン)の腫瘍学者であるHaluska博士は述べた。「これは患者にとって非常に重要である。治癒に向けての一歩であるだけでなく、喉頭や発声機能の温存を目指した治療でもある」。さらに、忍容性も非常に高い、と同博士は述べた。
この研究はブリストル・マイヤーズ・スクイブ社から資金提供を受けた。
参考文献

ASCO 39th Annual Meeting: Abstract 1997. Presented June 1, 2003.  

(Dr.sakatani201  翻訳寄稿)

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