効果判定基準−新RICIST基準

RECIST基準について
WHO基準との違いは?

WHOに変わる基準としてRECISTが提唱された背景には、
1)WHOを用いた場合、臨床試験を実施するグループごとに効果判定の方法がまちまちであった
2)効果判定に採用する病変数の規定もない
3)2方向を測定するよりも1方向測定のほうが簡便

という理由があります。
1)、2)についてはJCOGの翻訳版の「A.はじめに」をご参照ください。
極論すれば、世界のどこでも実施可能な方法で、2方向ではなくより簡便な1方向のみの測定を実施し、効果を評価しようとしている抗癌剤が効いているのか、いないのかを早く見極めたいということです。
評価の仕方が世界中で統一されるように、基準を明確にしたということで、上記翻訳版ににもありますが、WHOとRECISTを用いて同じ症例を評価した場合、結果はほぼ同じになっています。ただし、最終的な効果は標的病変と非標的病変の両方に対する効果で判断されますので、最後の表が正解ということになります。

RECIST基準の問題点は?
RECISTを日本のがん治療にそのまま当てはめようとすると以下のような問題が生じます。
1)日本人に多い胃癌の場合、効果判定には内視鏡やX線二重造影法による結果が用いられますが、これらの方法はRECISTでは推奨される方法とされていない(もともと日本で開発された方法であり、技術を要するという理由で欧米人が実施した場合の再現性が保証できない)。この理由で、胃の病変は非標的病変とされてしまう。胃原発巣に対する奏効が余命に係ると考えている医師も多く、胃癌に対する試験の場合完全にRECISTだけに準拠した評価を行わないようになっています。
2)乳癌の骨転移の場合等、骨病変に対するシンチグラムも再現性のない方法とされてしまい、標的病変から除外されてしまう。ホルモン剤を使った治療の場合、骨病変を評価に入れるか入れないかで、最終の効果判定が変わってしまう場合がある。       

I. WHOとRECISTの比較

計測可能病変の定義

WHO

RECIST


2方向で計測可能な病変

(最長径と直交する径の積)

計測不可能/評価可能病変を含める

(リンパ管炎、腹部腫瘤等)


1方向計測可能病変、最長径を採用

(通常の方法では20mm以上、スパイラルCTの場合は10mm以上。これより小さい病変は計測不可能とする)

評価可能の概念は用いない


効果の定義(計測可能病変について)

WHO (計測可能病変) 

RECIST (標的病変)


各計測可能病変の積の和の変化で評価

(選択する病変数の上限の規定なし)


CR: 全病変の消失が4週以上持続

PR: 50%以上の縮小が4週以上持続

PD: 25%以上の増大

NC: PRにもPDにも該当しない変化


各標的病変の最長径の和の変化で評価

(1臓器あたり5病変まで、複数臓器に測定可能病変がある場合は合計10病変まで。最長径の長さの順に選択)

CR: 全病変の消失が4週以上持続

PR: 30%以上の縮小が4週以上持続

PD: 20%以上の増大または新病変の出現

SD: PRにもPDにも該当しない変化


―効果の定義(計測不能病変について)―

WHO (計測不能病変)

RECIST (非標的病変)


CR: 全病変の消失が4週以上持続

PR: 50%以上と想定される縮小が4週以上持続

PD: 25%以上と想定される増大または新病変の出現

NC: PRにもPDにも該当しない変化


CR: 全病変の消失および腫瘍マーカーの正常化が4週以上持続

PD: 明らかな病変の増悪または新病変の出現

Non-PD: 1つ以上の病変の持続/腫瘍マーカーの異常値の持続




II. RECISTによる総合効果の判定(標的、非標的病変の双方の変化を用いる)

標的病変   非標的病変  新病変 総合効果
CR CR なし CR
CR CR未満/SD なし PR
PR PD以外 なし PR
SD PD以外 なし SD
PD いずれか いずれか PD
いずれか PD いずれか PD
いずれか いずれか あり PD


(2004.12 しまうま)


HOMEキャンサーサバイバー解説コメントコンタクトAbout Us資料提供許諾サイト

Since 2004/10/5Copyright(c)2004 Cancer info Translation References All rights reserved