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転移膵臓がんにBL-8040+ペムブロリズマブ化学療法は有望な病勢制御率

CXCR4拮抗薬であるBL-8040が腫瘍微小環境を変える

遠隔転移を伴う膵臓腺がん(PDAC)患者を対象とした第2相試験で、PD-1阻害薬であるペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)および化学療法による二次治療にCXCR4拮抗薬BL-8040を追加することにより抗腫瘍効果が期待されることが示された。この結果は、スイスのジュネーブで12月11~14日に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の2019年がん免疫療法会議で発表された。

筆頭著者は、米国ニューヨークにあるワイルコーネル医科大学血液・腫瘍内科長のManuel Hidalgo医師である。ESMOの2019年がん免疫療法会議で発表されたこの知見は、COMBAT(NCT02826486)試験の多施設共同前期第2相試験コホート2からのものである。

PD-1/PD-L1拮抗薬は何種類ものがんに効果が期待されている一方、遠隔転移を伴う膵臓腺がん患者には効果を示しておらず、一般的に予後が悪い。これらの患者に対する治療選択肢が限られているため、Hidalgo医師らは、CXCR4を標的とするBL-8040を用いた阻害薬とペムブロリズマブおよび化学療法がこれらの患者に有効かつ安全かどうかを調査した。

BL-8040はCXCR4 を標的とし、エフェクターT細胞の浸潤を促進し免疫抑制細胞の数を減少させて腫瘍微小環境(TME)を変えることによって作用する。これまでの報告ではBL-8040、ペムブロリズマブおよび化学療法の併用が安全であることが実証され、7.5カ月という有望な全生存期間(OS)が示されていた。これらの有望な結果と併用療法を支持する前臨床データにより、コホート2が含まれるようにCOMBAT試験が拡大され、BL-8040、ペムブロリズマブおよび化学療法の併用が遠隔転移を伴う膵臓腺がん患者の二次治療として試験が行われる。

患者は、5日間のBL-8040を用いたプライミング(*初期免疫反応の過程)単独療法に続き、イリノテカンリポゾーム製剤(販売名:Onivyde)/5-FU/LVの併用療法を2週間毎、ペムブロリズマブの投与を3週毎、BL-8040の投与を1週間に2回受けるコホートに登録された。登録された患者は、ゲムシタビンベース化学療法を用いた一次治療後に病勢が進行し、RECIST v1.1で測定可能な病変を有する遠隔転移を伴う膵臓腺がん患者であった。

同併用療法によって、膵臓腺がん患者の病勢コントロール率80%を達成

登録された患者22人のコホートには、併用療法の投与を1回以上受け、ベースライン後のCTを実施した評価可能患者15人がいた。患者の年齢中央値は68歳であり、ECOGパフォーマンスステータスは1以下が最も多く、60%が男性であった。

評価可能患者のRECIST v1.1による最良効果は、部分奏効(PR)患者4人と病勢安定(SD)患者8人であり、15人中12人が病勢コントロールを達成できた。特筆すべきこととして、PRやSDに達した患者は腫瘍マーカーであるCA 19-9が最初に増加し、続いて減少した。腫瘍の縮小はCA 19-9の一時的な増加期間に始まるのが観察された。

無増悪生存中央値および全生存中央値は解析時にはまだ到達していなかった。

安全性に関しては、重篤な有害事象(SAE)15件が患者10人において報告され、患者2人がSAEのために治療中止となった。

結論

BL-8040、ペムブロリズマブ、化学療法の3剤併用療法を評価する継続中のCOMBAT試験のコホート2からのこれらの予備データは、奏効率と病勢コントロールが有望であることを示していると、著者らは示唆した。

本試験はまた、遠隔転移を伴う膵臓腺がん患者集団に有効な免疫療法併用への道を開く可能性がある。

開示

本試験はBioLineRx社 の助成を受けた。

参考文献
91O – Hidalgo M, Semenisty V, Bockorny B, et al. A multi-center phase IIa trial to assess the safety and efficacy of BL-8040 (a CXCR4 inhibitor) in combination with pembrolizumab and chemotherapy in patients with metastatic pancreatic adenocarcinoma (PDAC).

翻訳太田奈津美

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)

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原文掲載日

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