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ニボ・イピ併用一次治療は、併存疾患あり/全身状態不良の進行肺がんに安全で有効

ニボルマブ(販売名:オプジーボ)とイピリムマブ(販売名:ヤーボイ)の併用は、進行NSCLCにおいてPD-L1発現量にかかわらず有効である

進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者、および併存疾患またはECOG全身状態(PS)の不良のいずれかを理由にこれまでは臨床試験の適格基準を満たさなかった非小細胞肺がん患者において、ニボルマブ(240mgの固定用量を2週間に1回)とイピリムマブ(1mg/kgを6週間に1回)併用による一次治療は安全であり、有望な全生存(OS)期間がもたらされた。研究結果は、スイスのジュネーブで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2019年免疫腫瘍学会(12月11~14日)で発表された。

Fabrice Barlesi氏(エクス・マルセイユ大学の集学的腫瘍科およびtherapeutic innovations教授、フランス国立科学研究センター[CNRS]、フランス国⽴保健医学研究所[INSERM]、マルセイユがん研究センター[CRCM]、およびフランス、マルセイユのマルセイユ公立大学病院機構[Assistance Publique-Hôpitaux de Marseille])は、発表に際し、CheckMate 227試験のパート1の結果を取り上げた。同試験では、主要評価項目である、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)発現量が1%以上の進行非小細胞肺がん患者における、ニボルマブとイピリムマブ併用一次治療の、標準化学療法と比較した場合の全生存期間の延長が達成された。また、組織構造(非扁平上皮および扁平上皮)にかかわらず、PD-L1発現量の全サブグループ(1%以上および1%未満)で全生存期間の延長に対する有用性が認められた。

Barlesi教授らの研究チームは、進行非小細胞肺がんを有する一次治療患者、および特定の併存疾患を有する、または全身状態が不良な患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を評価することを目的とし、CheckMate 817(NCT02869789)試験を実施した。CheckMate 817は、進行非小細胞肺がん患者を対象に固定用量のニボルマブと体重に応じた用量のイピリムマブの併用療法の安全性を評価するマルチコホート、単群、第3b相試験である。欧州臨床腫瘍学会2019年免疫腫瘍学会で、コホートA(ECOG全身状態スコアが0­~1の患者集団)およびコホートA1(併存疾患を有するまたは全身状態が不良な患者集団)に関して、追加の安全性データと全生存期間が報告された。安全性と有効性の中間結果は以前に報告されている。

治療関連有害事象はコホート間で類似

治療関連有害事象(TRAE)の種類と割合で構成される安全性に関するデータは、コホート間で一致していた。特定の治療関連有害事象発現までの期間の中央値は、コホートAで2〜26週間、コホートA1で2〜21週間であった。特定集団(コホートA1)で新たな有害事象は認められなかった。特定の治療関連有害事象は、通常、ガイドラインに沿った処置により回復した。コホートA1は、併存疾患を有する、または全身状態が不良の患者群であるにもかかわらず、ニボルマブとイピリムマブ併用療法の忍容性が概して高いとみられた。

コホートAの全生存期間はCheckMate 227試験パート1と類似、また、コホートA1の全生存期間は有望

CheckMate 817試験では、EGFR/ALKの変異がない、未治療のステージ4または再発非小細胞肺がん患者が登録された。PD-L1の発現状態に基づく患者の選別は行われなかった。コホートAの患者391人はECOG全身状態スコアが0~1であった。一方で、コホートA1は、特定集団とされる198人の患者で構成されており、ECOG全身状態スコア2、無症候性の未治療の脳転移、肝障害もしくは腎障害、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の患者が含まれた。ECOG全身状態スコアおよび併存疾患以外のベースライン特性は、コホート間で類似していた。

患者は全員、2年間、または疾患の進行もしくは忍容できない毒性のいずれかが発現するまで、ニボルマブ(240mgを2週間に1回)とイピリムマブ(1mg/kgを6週間に1回)の併用療法を受けた。コホートAにおける安全性は主要評価項目とされ、有効性は副次的評価項目とされた。探索的評価項目には、コホートA1における安全性と有効性、両コホートにおけるバイオマーカー解析(PD-L1発現量を含む)があった。

全生存期間中央値は、コホートAで17.0カ月(追跡期間:21カ月以上)、コホートA1で9.9カ月(追跡期間:14カ月以上)であった。1年生存率は、コホートAで60%(PD-L1発現量が1%以上の患者で61%、1%未満の患者で58%)、コホートA1で47%であった。コホートAの18カ月生存率は、全体で49%、PD-L1発現量が1%以上の患者では53%、1%未満の患者では44%であった。

結論

著者らは、進行非小細胞肺がん患者コホートA1は、併存疾患を有する、または全身状態が不良の患者群であるが、ニボルマブとイピリムマブ併用療法で認められた特定の治療関連有害事象のデータは、コホートAとA1で類似していると述べた。

進行非小細胞肺がんにおける、ニボルマブとイピリムマブの併用による一次治療は、コホートA患者で全生存期間が良好であるという結果が示された。これは、CheckMate 227試験での報告結果に匹敵するものであった。また、コホートA1は、併存疾患を有する、または全身状態が不良の患者群であるにもかかわらず、有望な全生存期間が示された。

情報開示

本試験はBristol-Myers Squibb社の出資を受けた。

 

翻訳竹原順子

監修小宮武文(腫瘍内科/Parkview Cancer Institute)

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