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肝細胞がんへのアテゾリズマブ+ベバシズマブはソラフェニブ以上の効果

IMbrave150試験の結果をうけ、切除不能な肝細胞がんの初回標準治療が変更となる可能性

切除不能な肝細胞がん患者を対象にアテゾリズマブ(販売名:テセントリク)+ベバシズマブ(販売名:アバスチン)併用投与を初回治療で行ったところ、現在の標準治療であるソラフェニブ(販売名:ネクサバール)と比較して、全生存期間および無増悪生存期間が有意に延長した。この研究結果が、ESMO Asia 2019 Congress(11月22~24日、シンガポール)で発表された。

研究者を代表して、国立台湾大学がんセンターおよび同大学病院(台北)のAnn Lii-Cheng教授 は、切除不能な肝細胞がん患者を対象としたアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用とソラフェニブとを比較する第3相IMbrave150試験(NCT03434379)のデータの一次解析結果を発表した。

IMbrave150試験では、切除不能な肝細胞がんの全身療法をこれまでに受けたことのない患者を登録し、2:1のランダム化割付の後、患者336人にアテゾリズマブ1200 mg+ベバシズマブ15 mg/kgを3週間ごとに静脈内投与し、患者165人にソラフェニブ400 mgを1日2回投与した。いずれの治療法も、忍容できない毒性または臨床ベネフィットの損失が研究者らによって確認されるまで行われた。患者のベースライン特性は治療群間で均衡をとった。

共通主要評価項目をRECIST v1.1に基づいた全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)、主要な副次評価項目をRECIST v1.1および切除不能な肝細胞がん用に修正したRECIST v1.1 に基づいた奏効率とし、いずれも独立評価機関により評価した。

本試験の主要評価項目を達成

追跡期間中央値8.6カ月で、全生存期間中央値はアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用では推定不能、ソラフェニブでは13.2カ月(95%信頼区間[CI]:10.4-推定不能)であった(ハザード比[HR]0.58、95%CI:0.42-0.79、 p=0.0006)。無増悪生存期間(PFS)中央値は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用の6.8カ月(95%CI:5.7-8.3)に対し、ソラフェニブは4.5カ月(95%CI:4.0-5.6)であった(HR 0.59、95%CI:0.47-0.76、p<0.0001)。

アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用ではソラフェニブよりも2倍高い奏効

RECIST v1.1に基づいて独立評価機関が評価した奏効率は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用が27%、ソラフェニブが12% であった(p<0.0001)。切除不能な肝細胞がん用に修正したRECIST v1.1に基づく独立評価機関の基準で評価したところ、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用はソラフェニブと比較してほぼ3倍高い奏効が認められ、奏効率はアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用が33%、ソラフェニブが13%であった(p<0.0001)。

研究者らによると、本結果は評価を行った臨床サブグループ全体にわたりほぼ一致し、またアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用はソラフェニブよりも生活の質の低下を遅らせた。

治療期間の中央値は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用で7.4カ月、ソラフェニブで2.8カ月であった。

アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用では患者の57%が、またソラフェニブを投与された患者の55%がグレード3〜4の有害事象を報告/発現した。グレード5の有害事象の頻度も、それぞれ5%と6%で類似していた。

結論

アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用では、これまで全身療法を受けなかった切除不能の肝細胞がん患者において、全生存期間と無増悪生存期間のいずれも統計的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用の安全性は各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性の徴候は認められていない。

IMbrave150試験の結果に基づき、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用により切除不能な肝細胞がんの初回治療設定が変更となる可能性があると著者らは結論付けた。

開示 本試験はHoffmann-La Roche社より助成を受けた。

翻訳松谷香織

監修高濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学奈良病院)

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