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再発/転移頭頸部がん(HNSCC)初回治療にペムブロリズマブ単剤または併用療法

有効性および安全性データに基づき、KEYNOTE-048の研究者は、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)とプラチナおよびフルオロウラシル(5-FU)が再発性または転移性の頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の適切な初回治療であり、PD-L1陽性の再発または転移性頭頸部扁平上皮がんにはペムブロリズマブの単剤療法が初回治療に適切であると述べている。本研究結果は、2019年10月31日にThe Lancet誌で公開されている。

米国コネチカット州ニューヘイブンのイェール大学医学大学院、医学部イェールがんセンターのBarbara Burtness教授は、研究チームを代表して、KEYNOTE-048が無作為化された第3相試験で、局所未治療かつ根治が難しい再発性または転移性頭頸部扁平上皮がんを有する患者を対象にしていると記した。本研究は37カ国200カ所で実施された。

研究参加者は、PD-L1発現の有無、p16ステータス、そして全身状態によって層別化された。参加者は、ペムブロリズマブ単剤、またはペムブロリズマブとプラチナ製剤+フルオロウラシル(5-FU)(ペムブロリズマブと化学療法群)、またはセツキシマブとプラチナおよびフルオロウラシル(5-FU)(セツキシマブと化学療法群)に1:1:1の割合で無作為に割り当てられた。研究者と研究参加者はおのおのの治療群を認識していた。研究者、研究参加者、そしてスポンサー代理人には、PD-L1発現陽性数(CPS)の結果は伏せられていた。PD-L1陽性は、臨床研究エントリーに不要であった。

化学療法は、頭頸部扁平上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害剤との組み合わせとして望ましい。なぜなら、免疫による排除作用を低下させるとみられる腫瘍構造が化学療法によって破壊されることで、抗原の排除につながり、迅速な病変の縮小に至るとみられるからである。

本研究の目的は、ペムブロリズマブ単剤またはペムブロリズマブ+化学療法併用は、セツキシマブ+化学療法併用に比べて、未治療の再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者の生存期間を延長するかの検討とした。主要評価項目は、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)であった。

14の一次仮説は以下のとおりである。PD-L1 CPS20以上、CPS1以上、および全集団において、ペムブロリズマブ単剤またはペムブロリズマブ+化学療法併用は、セツキシマブ+化学療法併用と比べて、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)において優位であること。全集団において、ペムブロリズマブ単剤とペムブロリズマブ+化学療法併用は、セツキシマブ+化学療法併用と比べて、全生存期間(OS)で非劣性であること。各仮説の最終的な研究結果は、その仮説の統計的仮説検定が完了したときに得られた。第二次中間解析で11の仮説、最終解析で3つの仮説を検討した。安全性は、割り当てられた治療を1回以上受けたすべての参加者によって評価された。

2015年4月から2017年1月の間に、882人の患者が、ペムブロリズマブ単剤群(n=301)、ペムブロリズマブと化学療法の併用群(n=281)、またはセツキシマブと化学療法の併用群(n=300)に割り当てられた。これらの患者のうち、754人(85%)がCPS1以上、381人がCPS20以上であった。

第二次中間解析では、CPS20以上の集団において、ペムブロリズマブ単剤は、セツキシマブと化学療法の併用と比較すると、全生存期間(OS)を改善し、中央値で14.9カ月対10.7カ月(ハザード比[HR] 0.61、p = 0.0007)、CPS1人以上の集団においては12.3カ月対 10.3カ月(HR 0.78、p = 0.0086)であった。全集団は11.6カ月対10.7カ月(HR 0.85)で中央値に有意差はなかった。

ペムブロリズマブと化学療法の併用は、セツキシマブと化学療法の併用と比較すると、全生存期間(OS)が改善した。全集団において、第二次中間解析で13.0カ月対10.7カ月(HR 0.77、p = 0.0034)、CPS20以上の集団で14.7カ月対11.0カ月(HR 0.60、p = 0.0004)、最終解析でCPS1以上の集団において13.6カ月対10.4カ月(HR 0.65、p <0.0001)であった。

第二次中間解析では、ペムブロリズマブ単剤でも、ペムブロリズマブ+化学療法併用であっても、無増悪生存期間(PFS)は改善しなかった。

最終解析では、グレード3以上の原因が限定されない有害事象は、ペムブロリズマブ単剤群で治療を受けた患者300人中164人(55%)、ペムブロリズマブ+化学療法併用群の患者276人中235人(85%)、セツキシマブと化学療法併用群の患者287人中239人(83%)で発生した。有害事象による死亡は、ペムブロリズマブ単剤群で25人(8%)、ペムブロリズマブ+化学療法併用群で32人(12%)、セツキシマブ+化学療法併用群で28人(10%)確認された。

本研究の著者らは、再発性または転移性の進行頭頸部扁平上皮がんに対する初回治療として、ペムブロリズマブ単剤療法は、セツキシマブと化学療法の併用と比較して、PD-L1 CPS20以上およびCPS1以上の集団での全生存期間(OS)の有意な改善、全集団でのOSの非劣性、全集団での奏効持続期間の大幅な延長との関連、良好な安全性プロファイルを示すと結論付けた。プラチナおよびフルオロウラシル(5-FU)を組み合わせたペムブロリズマブによる初回治療は、セツキシマブ+化学療法併用と比較して、PD-L1 CPS20以上、CPS1以上、および全集団において、全生存期間(OS)の有意な改善、奏効持続期間の延長との関連、同等な安全性プロファイルを示した。

ペムブロリズマブ単剤、またはプラチナおよびフルオロウラシル(5-FU)を組み合わせた化学療法との併用レジメンに関するKEYNOTE-48研究の結果から、局所的に根治困難であるの再発性または転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)患者の初回治療の選択肢として抗PD-1治療法が確立される。

本研究は、Merck & Coの子会社であるMerck Sharp & Dohme社から資金提供を受けた。

翻訳水町敦子

監修山崎 知子(頭頸部・甲状腺・歯科/宮城県立がんセンター)

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