FDAがBRAF変異甲状腺がんにダブラフェニブとトラメチニブの併用を承認

2018年5月4日、米国食品医薬品局(FDA)は、BRAF V600E変異を有し、十分な局所領域治療の選択肢がない局所進行性または転移性甲状腺未分化がん(ATC)患者の治療でのダブラフェニブ(商品名:タフィンラー、ノバルティスファーマ社)とトラメチニブ(商品名:メキニスト、ノバルティスファーマ社)の併用を承認した。

今回の承認は、BRF117019(NCT02034110)に基づいており、これは、局所領域治療の選択肢がない局所進行性、切除不能、または転移性ATCなど、BRAF V600E変異を有する希少がんの患者を対象とした9群の非ランダム試験である。奏効を評価できたATC患者23人の全奏効率は61%(95% CI: 39%, 80%)であった。完全奏効率は4%、部分奏効率は57%であった。奏効期間は、奏効した患者の64%で少なくとも6カ月であった。

この試験での全患者およびATCコホート患者における有害反応は、他の承認済み適応症でみられるものと同様であった。

ATCに対する推奨用量は、ダブラフェニブ150mgの1日2回経口投与およびトラメチニブ2mgの1日1回経口投与である。全処方情報は、以下に記載されている。

ダブラフェニブ処方情報

トラメチニブ処方情報

FDAは本申請を優先審査に指定した。また、FDAは、BRAF V600変異を有する甲状腺未分化がんに対するダブラフェニブとトラメチニブの併用を画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)として指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 福原真吾

監修 小宮武文(腫瘍内科/トゥーレーン大学)

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