Provenge/Provenge®、ホルモン不応性前立腺癌の生存率を改善

キャンサーコンサルタンツ
2005年5月

第3相臨床試験の結果、免疫刺激ワクチンProvenge (APC 8015)がホルモン不応性前立腺癌の生存率を改善した。これらの結果は、2005年ASCO会議で報告された。

Provengeは、前立腺癌の多くで見られる抗原である前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)の組み換え型で構成されたワクチンである。Provengeは、PAP抗原を抗原提示細胞(APCs)に認識させ、結果、APCsがPAP抗原を特異的に攻撃する免疫機能を刺激するよう製造された。ホルモン不応性の前立腺癌患者の標準治療ではほとんど効果的な治療が残されていないため、これらの患者によりよい結果をもたらす免疫刺激ワクチンのような画期的なアプローチが期待されていた。

この2重盲験比較対照の第3相試験(D9901)は無症候性、転移性のホルモン不応性前立腺癌患者において、4週間にわたってProvengeとプラセボ治療を比較した。Provenge 治療群の生存率中央値は25.9ヶ月、プラセボ群は21.4ヶ月で4.5ヶ月の改善となった(P= 0.01)3年後、Provenge 投与群は34%が生存しており、プラセボ群は11%であった。発熱と悪寒(グレードⅠ~Ⅱ)がもっともよくあるProvengeの副作用である。

研究者らは、Provengeが、毒性は最小限に、ホルモン不応性前立腺癌患者の生存率を改善するようだと結論付けた。さらに詳細なデータを得るために米国食品医薬品局(FDA)のSpecial Protocol Assessment の同意を得て別の大規模第3相臨床試験の登録が開始されている。

参考:

Small E, Schellhammer P, Higano C, et al. Results of a Placebo-Controlled Phase III Trial of Immunotherapy with APC8015for Patients with Hormone Refractory Prostate Cancer (HRPC). Proceedings from the 2005 annual meeting of the American Society of Clinical Oncology (ASCO). Abstract #4500.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

前立腺がんに関連する記事

進行前立腺がんにカボザンチニブ+アテゾリズマブ併用療法が有望の画像

進行前立腺がんにカボザンチニブ+アテゾリズマブ併用療法が有望

米国臨床腫瘍学会(ASCO)ASCO専門家の見解「転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの予後は非常に不良です。アテゾリズマブ(販売名:テセントリク)とカボザンチニブ(販売名:カボメ...
FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認の画像

FDAが転移のない前立腺がんにエンザルタミドを追加承認

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ前立腺がんの治療選択肢は過去10年間で爆発的に増えた。その流れは留まる気配がなく、最近では米国食品医薬品局(FDA)がエンザルタミド(販売名...
150回達成: ロボット手術HIFUで変わる前立腺がん治療の画像

150回達成: ロボット手術HIFUで変わる前立腺がん治療

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)リスク少なく回復が早い高密度焦点式超音波療法(HIFU)で世界をリードするカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)ヘルス...
FDAがBRCA変異転移性去勢抵抗性前立腺がんにニラパリブ/アビラテロン+プレドニゾン併用を承認の画像

FDAがBRCA変異転移性去勢抵抗性前立腺がんにニラパリブ/アビラテロン+プレドニゾン併用を承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年8月11日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査で判定された、病的変異または病的変異疑いのあるBRCA遺伝子変異去勢抵抗性前立腺がん(...