GVAX/GVAXは慢性骨髄性白血病(CML)に分子寛解をもたらす

キャンサーコンサルタンツ
2006年6月

第2相試験の結果は、研究中の免疫治療薬GVAXが、グリベック(イマチニブ)にて治療中で残留病変のある慢性骨髄性白血病患者の間に、長期分子寛解を含む有望かつ持続的反応をもたらすことを示した。これらの結果は米国臨床腫瘍学会(ASCO)第42回年次総会で発表された。

GVAXは患者に非特異的な全腫瘍細胞を致死的に放射線照射し、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を分泌するよう遺伝子組み換えの技術基盤を利用した研究中のワクチンである。GVAXは外来ベースで皮下注射され、「既製品」薬として市場に出される予定だ。GVAXは現在、さまざまな癌に対するその有効性を評価するため試験が行われている。

CML患者でGVAXを評価している第2相試験は、少なくとも一年間のグリベックによる治療後、分子レベルで残存する白血病がみられた19の評価可能な患者を含んだ。患者はグリベックによる治療を継続しながら、GVAXによって治療を受けた。

  1. GVAXのグリベックへの追加は、10人の患者で残存する白血病を減少させた。(5人の患者はbcr-ablの残存する白血病の完全消失を達成し、5人の患者は90%(1ログ以上)のbcr-ablの消失を達成した。
  2. 治療開始から平均14ヶ月の観察では、1ログ以上のbcr-ablの減少を示す分子学的反応が5人の患者に引き続き見られた。
  3. 治療開始から平均14ヶ月の観察では、5人のうち4人の患者が継続してbcr-abl検知量以下だった。
  4. 残りの10人の患者のうち、一人の患者のみが治療中細胞遺伝的悪化を示した。(この患者は試験開始当時、最も腫瘍量が多かった)
  5. GVAXによる治療は忍容性がよく、全患者が予定されたフォローアップ期間を完了した。

研究者らはグリベックで少なくとも1年治療されても残存する白血病CML患者へのGVAXのグリベックへの追加投与は、長期分子寛解をもたらし、白血病の腫瘍量を安全かつ持続した反応で有意に減少させうると結論づけた。さらに、この治療は、患者に対する認容性が良好であった。研究者らはさまざまな癌におけるGVAXの効果を引き続き評価し、この研究の治療法に関する結果を更新していく予定だ。


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 ラスコ

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果の画像

意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果

ダナファーバーがん研究所意図せぬ体重減少は、その後1年以内にがんと診断されるリスクの増加と関連するという研究結果が、ダナファーバーがん研究所により発表された。

「運動習慣の改善や食事制限...
【米国血液学会(ASH)】進行した急性骨髄性白血病に新規メニン阻害薬が有望の画像

【米国血液学会(ASH)】進行した急性骨髄性白血病に新規メニン阻害薬が有望

MDアンダーソンがんセンター特定の遺伝子変異を有する白血病に有望な効果が、MDアンダーソン主導の2つの臨床試験で示されるテキサス大学MDアンダーソンがんセンター主導の2つの臨床...
再発した白血病、リンパ腫にネムタブルチニブが有望の画像

再発した白血病、リンパ腫にネムタブルチニブが有望

オハイオ州立大学総合がんセンターオハイオ州立大学総合がんセンター・アーサーG.ジェイムズがん病院リチャードJ.ソロベ研究所(OSUCCC – James)の研究者らが研究している新しい...
初発AMLへの高用量シタラビン併用療法は安全かつ奏効を改善の画像

初発AMLへの高用量シタラビン併用療法は安全かつ奏効を改善

MDアンダーソンがんセンター初めて急性骨髄性白血病(AML)と診断された若くて体力のある患者には、通常、シタラビンとアントラサイクリンの化学療法が投与されるが、最近、シタラビンの高用量...